大胆な言動や政策が注目を集め、連日メディアで大きく報道されている米国のトランプ新大統領。一見すると予測不可能にも思えるトランプ政権の先行きを占うためには、どうすれば良いのでしょうか。大手メディアや識者による解説では、常識的な価値観にもとづいて「あの政策は間違っている」「理想はこうあるべきだ」とする、是非論・べき論ばかりが目立ちます。 続きを読む
【書評】トランプ現象の見事な現状分析――将来予測に答える
【書評】日本社会の動向を決する公明党と創価学会
解説:松田 明(ライター)
『佐藤優の「公明党」論』(佐藤優)
公明党と他党の本質的な違い
今や日々の新聞、テレビ等の報道で「公明党」の3文字の登場しない日はない。むろん公明党が政権与党の連立パートナーだからではあるが、それでもわずか10年前には考えられなかったことだ。
国政ならずとも東京都議会を見ていてもわかるように、つまりそれだけ、公明党がどのように判断し、対応するかが、日本社会の動向を決するうえで無視できない影響力を持つようになっているのである。 続きを読む
「反戦出版」書評シリーズ① 『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』
解説:柳原滋雄(ジャーナリスト)
『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』(創価学会広島平和委員会編)
直接体験をもつ最後の世代が沈黙を破る
全80巻の反戦出版シリーズ(1974~85年に刊行)で知られる創価学会が近年、新たな平和出版活動を重ねている。以前の反戦シリーズは、同青年部がまとめたもので〝戦争を知らない世代へ〟が副題となっていた。
2014年に新たに上梓された『男たちのヒロシマ~ついに沈黙は破られた』(第三文明社刊)は、表題のとおり、男性による証言集だ。 続きを読む
【書評】詩聖タゴールをめぐり縦横に語り合った対談集
解説:青山樹人(ライター)
『新たな地球文明の詩(うた)を タゴールと世界市民を語る』(バラティ・ムカジー/池田大作)
インドを目覚めさせた「詩聖」
およそ10年後の2020年代後半には世界一の人口に達するインド。近年、ようやく日本はインドとの間の経済交流、また安全保障を含む政治対話に、本格的に乗り出した。
とはいえ、私たち日本社会はインドという大国をどこまで知っているのか。
インドを理解し、語るうえでの〝肝〟ともいえる存在が、ラビンドラナート・タゴール(1861-1941)だろう。 続きを読む
【書評】人工知能と共生する社会を目指すために
解説:西成活裕(東京大学先端科学技術研究センター教授)
『ビッグデータと人工知能――可能性と罠を見極める』(西垣 通著)
いま社会で最も旬なキーワードの一つが、「人工知能」であろう。研究者だけでなく、世界中の企業や政府までもがこれに注目し、ここ2、3年で莫大な予算が投入されている。 続きを読む