負の遺産に翻弄される立憲民主党――新執行部を悩ます内憂

ライター
松田 明

すでに影響力持つ共産党

 泉健太代表率いる〝新生〟立憲民主党だが、あいかわらず有権者からの支持や期待が伸びない。それどころか旧執行部時代の「負の遺産」ともいうべきものに今なお翻弄され気味だ。
 昨年(2021年)10月31日におこなわれた衆議院選挙で、立憲民主党は日本共産党との「限定的な閣外協力」まで党首間で合意して共闘したが、大きく議席を減らし執行部が退陣する結果となった。
 日本維新の会や国民民主党が議席を伸ばしたなかで立憲民主党と日本共産党だけが議席を減らした。連合の芳野会長は、「連合の組合員の票が行き場を失った。到底受け入れられない」と厳しく批判している。
 11月9日に両院議員総会を開いた立憲民主党は、敗因の分析を約束した。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第127回 弱さの思想

作家
村上政彦

『弱さの思想』は、高橋源一郎と辻信一の対談で進められる「思索ノート」ともいうべき本だ。僕は、30年以上に亘って小説を書いているが、デビュー前を含めて、「あ、やられた」と思った作家が何人かいる。
 そのひとりが高橋源一郎だ。彼のデビュー作、『さよなら、ギャングたち』を読んで、作中に挿入された少女漫画のページを眺め、「あ、やられた」と思った。こんな小説を書きたいと、僕自身も考えていたのだ。それ以来、高橋の仕事には注目している。
 辻信一は、恥ずかしながら最近になって知った。文化人類学者である。彼の考えを吟味して、これからの世界を創っていくのに必要な人物だと思った(辻さん、偉そうな言い方で失礼します)。そのふたりによる対談(正式には大学の共同研究)なので、読まないわけにはいかない。
 対談なので、難しくない。すぐれた文学者と研究者が立ち話しているのを傍で聴いているような易しさがある。気楽でもある。それに、なんといってもおもしろい。 続きを読む

「オール沖縄」の退潮――2つの市長選で敗北

ライター
松田 明

2つの市長選で与党側が勝利

 本年2022年は、沖縄県の本土復帰(1972年5月)から50周年の佳節となる。
 その沖縄県で、さる1月23日に名護市と南城市で任期満了に伴う市長選挙がおこなわれた。名護市は普天間飛行場の移設先となる辺野古を抱える。
 名護市長選では現職の渡具知武豊氏(とぐち・たけとよ氏=自民・公明が推薦)に、新人で前市議の岸本洋平氏(共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦)が挑み、南城市では現職の瑞慶覧長敏氏(共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦)に、前職の古謝景春氏(こざ・けいしゅん氏=自民、公明推薦)が挑むかたちとなった。
 結果は、いずれも自民・公明が推薦する渡具知氏と古謝氏が、共産党など「オール沖縄」勢力を破って当選した。
 注目を集めた名護市長選では、投票率が68・32%。渡具知氏が19524票で岸本氏が14439票と、5000票の大差がついた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第126回 つげ義春の文章

作家
村上政彦

 僕の作家生活が始まったのは、郷里の実家の近くにある鈴木書房だった。まずはそこに通い詰めて漫画少年になった。僕が物心ついたころは、創刊したばかりの週刊漫画雑誌が熱かった。いつも読んでいるものに、『少年マガジン』、『少年サンデー』、『少年ジャンプ』、『少年チャンピオン』、『少年キング』があった。
 いま残っているのは、『少年マガジン』、『少年サンデー』、『少年ジャンプ』、『少年チャンピオン』。『少年キング』はちょっと刺激が少なかったが、そのうち休刊になった。月間漫画雑誌で読んでいたのは、『ぼくら』と『冒険王』。これも休刊になった。
 僕がこのような漫画雑誌を読んでいたころ、平棚で異質な漫画雑誌を見つけた。僕がいつも読んでいるマガジンやサンデーとは、表紙からして違う。全体に暗い。雑誌の名は、『ガロ』とあった。好奇心の旺盛な僕は、手に取って読んでみた。 続きを読む

立民、共産との政権構想を否定――世論は選挙協力にも反対

ライター
松田 明

コロナ対策予算に反対し続ける

 昨年(2021年)10月の衆院選で、〝政権協力〟で合意した立憲民主党ともども大敗した日本共産党。
 1月4日、その日本共産党の「党旗びらき」がインターネット中継で開催された。
 あいさつに立った志位和夫委員長は冒頭、新型コロナウイルスのオミクロン株が世界各国で蔓延していることに言及。政府に「3回目のワクチン接種を迅速におこなうこと」「無症状者を対象にPCR検査を無料で受けられる体制」「医療機関への十分な支援」などを求めると訴えた。

 新型コロナから国民の命と暮らしを守り抜くたたかいに、引き続き全力をあげる決意を、年頭にあたって固めあいたいと思います。(『しんぶん赤旗』1月5日

 ちょっと待ってほしい。日本共産党は〝新型コロナから国民の命と暮らしを守り抜くたたかい〟として実際に何をやってきたのだろうか? 続きを読む