特集㉜ 宗教弾圧の構図——政治家と宗教者、メディアの共謀

ライター
青山樹人

日顕を脅した山崎正友

 創価学会を恐喝して服役していた元弁護士の山崎正友。山崎は1993年に刑務所を仮出所した直後から、罪を反省するどころか、創価学会への憎悪の念をいよいよ強くしていた。
 出所した山崎は、政局の動きを睨みながら、日顕に数通の手紙を送った。
 この中で山崎は、1980年当時、自分が「ニセ法主」と週刊誌に書いた日顕に〝信伏随従する〟(信じ帰伏し、身も心も従うこと)ことを表明し、かつて「宗門きっての遊蕩児」「ゼニゲバ」と酷評したそのペンで、〝人格高潔な方〟と歯の浮くような世辞を連ねた。
 そして、人脈を築いてきた〝学会嫌い〟の大手出版社の名を挙げ、今後、マスコミと政治家と連動した創価学会攻撃を仕掛けてみせるので、自分を〝軍師〟として採用するよう日顕に迫ったのである。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第114回 子供たちの国

作家
村上政彦

 子供のころ、町から大人がいなくなって、子供たちだけが取り残され、たがいに支え合いながら生きていく、という物語を読んだことがある。作品のタイトルも、著者も、忘れてしまった。
 そうか。アマゾンに訊けばいいんだ! ちょっと待ってください――。
 ありました。さすがアマゾン。『子どもだけの町』、ヘンリー・ウィンターフェルト。2004年の出版だから、新装版が出版されたのだろう。でも、いまは古本しかない。それが5280円! 高い。もう、今月は〇〇円も本を買ってしまったので、買うのは、やめる。
 それに今回取り上げるのは、この本ではない。スペインの作家アンドレス・バルバの『きらめく共和国』である。 続きを読む

特集㉛ 広宣流布の新しい扉——創価学会が御本尊を制定

ライター
青山樹人

「信心の血脈」は創価学会に

 1991年の「破門通告」以来、日蓮正宗は創価学会員となる者への本尊授与を停止してきた。本尊が授与されなければ、学会の発展も阻止できると考えたのだろう。
 だが、93年10月、宗門から離脱した寺院の一つである栃木県の浄圓寺から申し出があった。浄圓寺が寺宝として所有する日寛書写の本尊があり、広宣流布のため、これを形木(原版)として、全世界の創価学会員に本尊を再び授与できるようにしてもらいたいというものだった。
 日寛(1665~1726年)は大石寺第26世の法主で、教学の再編に努め第9世日有とともに〝中興の祖〟とされてきた。草創期の学会も、日寛書写の御本尊を各家庭の御本尊として用いていた経緯がある。
 浄圓寺の申し出について学会は慎重に検討協議を重ねた。日蓮大聖人の願った広宣流布への道を日顕が阻止している以上、日蓮大聖人の精神のままに広宣流布に進む教団として、学会が本尊を授与する立場に立つことは正当性がある。この日寛書写の本尊を新たに創価学会が授与する本尊と制定した。 続きを読む

芥川賞を読む 第4回 『妊娠カレンダー』小川洋子著

文筆家
水上修一

女性の身体感覚を、的確な文体で描き切る

第104回芥川賞受賞作(1990年下半期)

現代社会の〝生の希薄さ〟

 第104回芥川賞の受賞作『妊娠カレンダー』は、タイトルから想像されるように、妊娠を題材とした観察日記形式の小説だ。だが、そこで描かれている妊娠には、祝祭的要素は何もない。新しい生命が誕生する感動も喜びもない。代わりに、妊娠という原始的で奇妙な生理現象に対する不安と恐れ、そして嫌悪のようなものさえ感じる。 続きを読む

〝3勝〟でも追い込まれた枝野代表―生殺与奪を握った共産党

ライター
松田 明

「想定を上回る逆風」

 4月25日に投開票された3つの国政選挙は、いずれも野党系候補が当選した。
 まず、元農水相(自民党を離党)が在宅起訴された衆議院・北海道2区の補選では、自民党が候補擁立を見送り。野党統一候補(国民、社民、共産道委員会推薦)となった立憲民主党の元職が、維新の候補らを破って当選した。
 立憲民主党の参議院幹事長だった羽田雄一郎氏の急死に伴う参議院長野補選では、立憲民主党が羽田氏の実弟を擁立(共産、国民民主、社民推薦)。事実上の「弔い合戦」となり、自民党の候補(公明推薦)を破って当選した。
 公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里氏の当選無効による参議院広島再選挙では、「政治とカネ」をめぐる有権者の憤りと不信感が根強く、諸派「結集ひろしま」新顔の元キャスター(立憲、国民、社民推薦)が自民党の新人(公明推薦)を破って当選している。 続きを読む