どんなことでも率直に話し合える。安心して討論もできる。三浦瑠麗という人物を、私は女性として信頼している。裏切る、ということのない数少ない人物だと捉えている。
それにしても、これは凄まじい書であった。
ここまで、自分と夫との関係、そして母親と娘との関係を具体的に書くとは、私にはとてもできないことである。
奥さんが外に出る生活をして、よく旦那さんが耐えていますね、としばしば言われる。それを聞くたびに私は少し笑顔になってしまう。働くこと、努力し続ける道しか私に許さなかったのは当の夫自身なのだから。自立した収入と地位を得るにつれて、私と夫との関係が変わってきたことを感じていた。ずっと幼馴染みみたいに対等だったが、いっそうその傾向が強まった感じだった
私は、あるときは子どもとべたべたし、あるときは距離を置く母親で、それは自分の母親とはまるで違う振る舞い方だった。娘は次第に、家の中の母親としての私だけでなく、外の世界における私を理解するようになっていったそして、中学3年のときの出来事を、なぜ彼女はあえて書くことにしたのか。大多数の女性が伏せるはずの出来事を、なぜ、書かざるを得なくなったのか。
それは、彼女が、自分というものに責任を持たねばならない、と強く思い、また責任を持てる自信がついた、ということなのだろう。
自分の生き方に期待できなければならない、と自覚し、そのことを書くことで表そうとしたのであろう。本当に、あらためて三浦瑠麗という人物を大きく再認識させられた。