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詩人・岩崎航の初エッセイ集――書評『日付の大きいカレンダー』
 解説:青山樹人(ライター)

『岩崎航エッセイ集 日付の大きいカレンダー』(岩崎航)

1万部を超えた詩集

 書店の世界で話題になっている詩集がある。岩崎航の綴った『点滴ポール 生き抜くという旗印』(ナナロク社)。2013年夏に出版されるや、1世紀超の歴史を有する『三田文学』が創刊以来初の巻頭カラーページで岩崎を紹介し、詩人・谷川俊太郎は岩崎の住む仙台まで駆けつけて彼と共にトークイベントをおこなった。 続きを読む

キリスト教徒と僧侶による、歯に衣着せぬ対談――書評『創価学会を語る』
 解説:松田 明(ライター)

『創価学会を語る』(佐藤 優/松岡幹夫 著)

世界で伸長する創価学会

 この国では「宗教」がきちんと議論されることがない。それは、社会が成熟によってデリケートなことがらをスルーしているからではなく、宗教や信仰について真摯に考えるだけの成熟にいまだ至っていないからである。 続きを読む

未来を担う若き世代にこそ読んでほしい一書――書評『新たなグローバル社会の指標』
 解説:青山樹人(ライター)

『新たなグローバル社会の指標――平和と経済と教育を語る』(劉遵義/池田大作 著)

名門・香港中文大学第6代学長との対話

 対談者の一方である劉遵義(りゅう・じゅんぎ)氏は香港中文大学の第6代学長(2004~2010)を務めた。1944年、中国貴州省生まれ。香港で初等教育を受けたあと米国スタンフォード大学に学び、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得。スタンフォード大学アジア太平洋研究センター長などを歴任した。経済発展と経済成長、中国を含む東アジア経済を専門とする経済学の泰斗である。1997年のアジア通貨危機を早くから予測し、警鐘を鳴らしていたことでも知られている。 続きを読む

書評『最新版 宗教はだれのものか 世界広布新時代への飛翔』――創価三代の闘争を一冊で学ぶ
 解説:青山樹人(ライター)

『最新版 宗教はだれのものか 世界広布新時代への飛翔』(青山樹人著)

イタリア共和国がSGIと協約締結

 このほどイタリア共和国がイタリアSGI(創価学会インタナショナル)との間でインテーサ(宗教協約)を締結した。2015年6月27日、同国のレンツィ首相がフィレンツェにあるSGIのイタリア文化会館に足を運び、フィレンツェのナルデッラ市長ら来賓が見守るなか調印式がおこなわれた。 続きを読む

国交正常化の原点を丹念に見直す―書評『扉はふたたび開かれる 検証日中友好と創価学会』
 解説:青山樹人(ライター)

『扉はふたたび開かれる 検証日中友好と創価学会』(信太謙三/監修・編著者、時事通信出版局/編者)

宗教家ゆえに黙殺されてきた功績

 行き詰まったら原点に帰れ、である。
 2015年1月から7月までの訪日外国人は、はやくも1100万人を超えた。中国人が最も多く275万人余で、前年の同じ時期より2倍以上に増えている。
 日中関係は観光や経済を中心にかつてないほど深まっている。一方でこの数年、政治的な次元では幾度も「国交正常化以来最悪」という形容詞で語られる危機が続いてきた。 続きを読む