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憲法は平和主義とともに国際協調主義も要請している

九州大学大学院准教授
井上武史

 安保法制が施行された今、あらためて安保法制成立の過程を見つめなおし、今後の課題を探る。井上武史氏に聞いた。

違憲の根拠は示されていない

 今回の安全保障関連法(安保法制)に関して、憲法に照らして合憲とする根拠がどこにあるのかということをよく聞かれます。これについては、積極的に合憲というよりは、明確に違憲といえない以上は合憲である、というのが私の立場です。
 そもそも、こうした問いかけそのものが問題設定として不適切なものです。なぜなら、集団的自衛権は国際法で認められた権利であり、もともと国家はそれを正当に行使することができるわけですから、あらためて行使を認める根拠を見つける必要などありません。 続きを読む

宗教への偏狭な制約は、憲法の趣旨に合致せず

政治評論家
森田 実

宗教的信条をもって人生を生きてきた

私は、誕生日を迎えると80歳となります。物心ついて以来、人智を超えた崇高なものへの畏敬の念を抱いて生きてきた気がします。墓参りや故人の命日には寺院での法要を行ったり、地域の祭礼に敬虔な気持ちで参加することなどを日常生活のなかで積み重ねてきました。 続きを読む