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詩人・岩崎航の初エッセイ集――書評『日付の大きいカレンダー』

ライター
青山樹人

1万部を超えた詩集

 書店の世界で話題になっている詩集がある。岩崎航の綴った『点滴ポール 生き抜くという旗印』(ナナロク社)。2013年夏に出版されるや、1世紀超の歴史を有する『三田文学』が創刊以来初の巻頭カラーページで岩崎を紹介し、詩人・谷川俊太郎は岩崎の住む仙台まで駆けつけて彼と共にトークイベントをおこなった。 続きを読む

【シリーズ】震災からの歩み マイナスをゼロに、ゼロをプラスに――未来につながる復興を目指して

東京大学大学院教授
早野龍五

 東日本大震災から4年。不安を煽るのではなく、不安を払拭するために必要な科学の目を通して、被災地に寄り添ってきた物理学者・早野龍五氏に、話を聞いた。 続きを読む

文明の行き詰まりをどう乗り越えるか

評論家・東日本国際大学客員教授
森田 実

母たちの絶望する戦争を2度と起こすな

 私がこれまで常に心のなかで大切にしてきたことは、どんなことをしても、たとえ名誉やプライドをかなぐり捨てることがあったとしても、平和だけは守りたいとの信念です。およそこの世の中で、人間の所業によって人間が苦しむほどの不幸はないと思います。そのなかでも最大の不幸が、人間が人間を殺す戦争であり、とりわけ核兵器の使用こそ人類史上最大の罪悪だと考えています。 続きを読む

「だから日本はズレている」――変革はズレの認識から

社会学者 
古市憲寿

 日本が抱えるさまざまな課題。そこにある多くのズレに着目し、そこを浮き彫りにすることで見えてくる変革への道がある。

若者目線から感じたズレ

 以前に書いた『絶望の国の幸福な若者たち』という本を出版して以来、僕自身が若者として、いろいろな場所に呼ばれる機会が増えました。若者としての意見を求められる中で、そこで出会った〝大人の人たち〟を不思議な存在だなと感じていました。 続きを読む

リスクを選択し受容する生き方を考える――著者インタビュー『原発事故と放射線のリスク学』

独立行政法人産業技術総合研究所フェロー
中西準子

 福島原発事故発生から3年。リスク評価を研究してきた著者が〝リスクを選ぶ〟生き方を提案する。

リスクトレードオフの視点を持つ

 私は長年にわたり、化学物質のリスク評価を研究してきました。このほど出版した『原発事故と放射線のリスク学』は、放射線の問題をリスク評価という考え方で解き明かしたものです。 続きを読む