青山樹人」タグアーカイブ

2015年始動。山口代表が放った先制パンチ

ライター
青山樹人

安倍首相の新年記者会見

 2015年1月5日午後、伊勢神宮に参拝した安倍首相は神宮司庁内で記者会見を開いた。
 会見で原発再稼働や憲法改正、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の整備について考えを問われた安倍首相は、慎重な言い回しをした。 続きを読む

ヘイトクライムの根を考える――新しい物語の必要性

ライター
青山樹人

日本に向けられた国際社会の厳しい目

 この夏、国連から日本政府に対し、相次いで〝勧告〟がなされた。
 7月には、拷問禁止・表現の自由などに関する国連人権規約委員会が、ヘイトスピーチなど人種や国籍差別を助長する街宣活動を禁止し、犯罪者を処罰するよう日本政府に勧告した。
 さらに8月には国連人種差別撤廃委員会が、ヘイトスピーチを行う個人や団体については、捜査をし、場合によっては起訴すべきであり、法整備を急ぐべきだと重ねて勧告した。 続きを読む

【コラム】日本の中華街はなぜ生まれたのか――近代日本の黎明を支えた華僑たち

ライター
青山樹人

なぜ横浜、神戸、長崎にあるのか

 横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街は、日本に存在する三大中華街だ。美食で有名な店も多く、いずれの都市でも地元を代表する観光スポットとなっており、近年では海外からやってくる旅行者にも人気が高い。とくに横浜中華街は、世界屈指の規模を持つチャイナタウンである。
 しかし、なぜこの3つの都市に中華街が存在するのか考えたことがあるだろうか。 続きを読む

集団的自衛権と公明党を問う(1) 「閣議決定」での勝者は誰か?

ライター
青山樹人

公明党は寝返ったのか?

 さる7月1日、政府は臨時閣議を開き「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定をおこなった。
 朝日新聞は翌2日の紙面で、「政府、集団的自衛権行使へ閣議決定 憲法解釈を変更」と題し、

安倍内閣は1日夕の臨時閣議で、他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認めるために、憲法解釈を変える閣議決定をした。(中略)直接攻撃されていなくても他国の戦争に加わることができる国に大きく転換した日となった。(『朝日新聞』7月2日付)

という記事を掲載した。同日の社説は「集団的自衛権の容認 この暴挙を越えて」と題するものだ。
 一方、かねてから集団的自衛権行使容認の論陣を張ってきた産経新聞は、 続きを読む

【コラム】集団的自衛権めぐるヤンキー的なノリ――「結果」を問わない〝勢いのリアリズム〟の危うさ

ライター
青山樹人

「気合いとアゲアゲのノリ」の国

 精神分析医で評論家の斉藤環氏は、近著『ヤンキー化する日本』で、日本社会と〝ヤンキー文化〟の親和性を述べている。
「ヤンキー」とは言うまでもなく不良少年少女を指すわけだが、斎藤氏は

<むしろ、彼らが体現しているエートス、すなわちそのバッドセンスな装いや美学と、「気合い」や「絆」といった理念のもと、家族や仲間を大切にするという一種の倫理観とがアマルガム的に融合したひとつの〝文化〟を指すことが多い>

と解説する。
 それはひとことで言えば、論理や理想よりも「気合いとアゲアゲのノリ」で突き進むことを美しいと感じる文化である。 続きを読む