政権交代」タグアーカイブ

政党政治の行方と公明党の使命

北海道大学公共政策大学院准教授
吉田 徹

生活に根ざした、地味で当たり前の政治を行える政党はどこか。

日本にはなじまない2大政党制

 1990年代前半の政治改革論議の結果、日本では96年の衆議院選挙で初めて小選挙区比例代表並立制が導入されました。イギリスの2大政党制をモデルとして、自民党も民主党も日本に「政権交代がある民主主義」「競争がある政治」を実現しようとしました。
 ところが2000年代に入ってから今日に至るまで、日本でイギリス型の2大政党制は実現していません。 続きを読む

熟議を重ねたマニフェストを策定し、善政の競争を

早稲田大学大学院公共経営研究科教授
北川正恭

政治はどうビジョンを作り、示すべきか。今後の中央と地方のあり方とは。

※この記事は2012年12月に行われた総選挙の前にインタビューしたものです。

マニフェストに対する検証・批判を

 高度経済成長期における政治の主な仕事は、富の分配でした。国にお金があったため政治のほうが供給サイドになり、強い立場にあったといえます。そのため有権者は政治に対して陳情し、富の配分にあずかる弱い立場でした。
 しかし今は、低成長、無成長の時代です。政治行政の役割は「富の分配」から「負担や不利益の分配」へと変化しました。皆で負担し合って弱者を助ける社会を作ることこそ、民主政治の目指すべき姿だといえます。 続きを読む