平和」タグアーカイブ

日本とフィリピンの「共生の世紀」を見つめて――書評『マリンロードの曙』

ライター
松田 明

両親を日本軍に惨殺されたアブエバ氏

 ホセ・V・アブエバ氏は、ニューヨーク市立大学、イェール大学等の客員教授を経て、東京の国連大学本部に勤務。帰国後は国立フィリピン大学総長として手腕を振るい、退官してカラヤアン大学を創立、初代学長に就任した。同国の憲法改正諮問委員会委員長を務めるなど、文字どおりフィリピンを代表する知性の1人である。 続きを読む

巨匠マファルバフが描く〝平和への寓話〟――映画『独裁者と小さな孫』

ライター
倉木健人

「アラブの春」で脚本を練る

 モフセン・マファルバフ監督はイラン出身。これまで各地の国際映画祭で50以上もの賞を受賞し、なかでもタリバン政権下のアフガニスタンを描いた「カンダハール」(2001年)はカンヌ国際映画祭エキュメニック賞に輝き、タイム誌が選ぶ歴代映画ベスト100にも選出された。 続きを読む

『二十一世紀への対話』が示す 多次元の融合(融和)と価値の共有を論ず

中国文化大学「池田大作研究センター」所長
李彦良

 2014年11月4日、創価学会学生部主催の第6回「学生部連続シンポジウム」が、東京都内で行われた。「池田・トインビー対談から学ぶ」と題して行われた同シンポジウムで基調講演を行った台湾・中国文化大学「池田大作研究センター」李彦良所長の講演要旨を紹介する。 続きを読む

「だから日本はズレている」――変革はズレの認識から

社会学者 
古市憲寿

 日本が抱えるさまざまな課題。そこにある多くのズレに着目し、そこを浮き彫りにすることで見えてくる変革への道がある。

若者目線から感じたズレ

 以前に書いた『絶望の国の幸福な若者たち』という本を出版して以来、僕自身が若者として、いろいろな場所に呼ばれる機会が増えました。若者としての意見を求められる中で、そこで出会った〝大人の人たち〟を不思議な存在だなと感じていました。 続きを読む

日本は憲法9条の考えを世界に輸出していくべき

国際交流NGOピースボート共同代表
川崎 哲

 憲法9条は世界からどのように評価されているのか。私たちはどう向き合っていくべきか――。

日本のナショナリズムを世界が警戒

 最近の安倍政権の安全保障政策を見ていると、私はその進め方に強い危機感を感じています。
 海外でも日本の現状を心配する声をよく耳にします。昨年(2013年)7月、ピースボートでシンガポールを訪れる機会があり、そこである国際組織の先生に開口一番「安倍政権が心配です」と言われ、今年3月また同じ先生から「すごいスピードで軍事的政策が進められているが、日本は大丈夫なのか」と問われました。 続きを読む