アベノミクス」タグアーカイブ

民進党はどこへ行く?(上)――野党第一党はなぜ国民の信頼を失ったのか

ライター
松田明

蓮舫氏「残念ながら信頼がない」

 民進党の代表選挙が9月15日に投開票される。
 すでに蓮舫・代表代行と前原誠司・元外相が立候補を表明しており、仮にほかの候補者が出たとしても事実上はこの2人の決戦となって、しかも蓮舫氏の当選がほぼ確実といわれている。 続きを読む

めざすべき政権像を示せないまま「安倍政権打倒」を叫ぶ無責任――民進党の迷走(下)

ライター 
松田 明

手段と目的を履き違えた政党

 政治は、国民の信頼があってはじめて成り立つ。我々はかつて、国民の信頼に十分応えることができなかった。

 これは民進党の「結党宣言」の一文である。
 民進党は、民主党に維新の党や、維新の党から分裂したばかりだった改革結集の会などが合流して2016年3月に結党された。
 維新の党そのものが日本維新の会の分派や、みんなの党の分派の結いの党からなる政党で、くっついては罵り合って別れるという抗争を繰り返してきた者たちだ。 続きを読む

仕事・家族・教育の関係を結びなおし 誰もが幸福になれる社会を

東京大学教授
本田由紀

 とどまるところを知らない格差の広がりや、若者の生きづらさの原因はいったいどこにあるのか。教育社会学の視点で社会問題に向き合う本田氏に話を聞いた。 続きを読む

「12.14総選挙」――選挙の先に待っている3つのこと

ライター
青山樹人

争点なきどころか非常に重要な選挙

 安倍首相は消費税率10%引き上げ時期を1年半延期することを表明し、衆議院を解散。本日12月2日公示、14日投開票という総選挙が始まった。
 野党各党は「アベノミクス失敗隠し解散」「大義なき解散」等と批判を強め、マスコミも「争点なき選挙」と評している。
 しかし、この総選挙の先、つまり明2015年以降の政治日程や、政治が取り組まなければならないいくつもの難題を考えると、じつは有権者にとっては非常に重みのある選挙だと言わざるを得ない。 続きを読む

脱・成長戦略の新たなビジョン「緑の福祉国家」を構想する

千葉大学教授
広井良典

環境・福祉・経済が相互に両立する社会へ。

経済成長が問題を解決するという幻想

 安倍政権はアベノミクスによって成長戦略を推し進めていますが、バブル崩壊後、90年代から自民党政権が行ってきた成長戦略はどれも成功していません。はじめは公共事業を中心に成長戦略を行い、小泉政権時代には規制緩和や構造改革を行い、市場に委ねる形で成長を図りました。
 それらがいずれもうまくいかず、今度は安倍政権のもと、金融緩和によって貨幣の量を増やすという、かなり危険な奥の手を使ってまで経済成長を図ろうとしています。しかし、安倍政権になって急に成長戦略がうまくいくとは極めて考えにくいことです。 続きを読む