近年になって、だんだん街の小さな書店が減ってきている。多くの在庫を誇る大型書店を探索する愉しみも捨てがたいが、散歩がてら立ち寄ることのできる小さな書店が消えてゆくのはさみしい。
この本の著者・長田弘氏も同じ気持ちだったのではないかとおもう。表題を『私の二十世紀書店』(※リンク先は1999年発売の『定本 私の二十世紀書店』)としたのは、
「私がこれらの本に出会った場所が街の書店においてだったからだ。本の自由というのは、自由な開かれた書店が街にあるということである」
という。この本には、街の書店への愛惜がこめられている。 続きを読む