自衛権の行使」タグアーカイブ

延長戦に入った集団的自衛権議論

首都大学東京准教授
木村草太

何が閣議決定されたのか

 今年(2014年)の7月1日、政府は臨時閣議を開き、集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしました。
 今回の閣議決定の基礎となったのが、1972年に行われた「自衛権に関する政府見解」です。この「72年見解」では、どのような場合に憲法上許容される自衛の措置がとれるかについて、政府の基本的な考え方を示しています。 続きを読む

集団的自衛権と公明党を問う(2) 反対派は賢明な戦略に立て

ライター
青山樹人

「閣議決定」の謎

 7月1日(2014年)の「閣議決定」について、田原総一朗氏はこう述べている。

「公明党が強く反対をしたため、政府・自民党は大きく妥協。さまざまな条件をつけるなどして、当初の案を大幅に変更した。その結果なのだろう。できあがったものは、『個別的自衛権』で十分やれるのではないか、という内容なのだ」(田原総一朗公式ブログ 7月23日付

「解釈改憲だとの批判もあるが、閣議決定を読む限りそれは当たらない」(「平和憲法の基本原則守った 個別法審議でも公明の踏ん張り期待 ジャーナリスト/田原総一朗」公明新聞7月26日付

 今回の閣議決定は、一見すると奇妙である。
 メディアは閣議決定を〝集団的自衛権行使が一部容認された〟と主張し、自民党もそのように言って満足し、反対派も同じ認識で憤り、しかし一方の与党である公明党は〝従来の個別的自衛権の政府見解を何も越えていない〟と言い、田原氏ら多くの識者もそう言い始めている。 続きを読む

憲法25条の生存権と9条の平和主義の理想を守る

首都大学東京准教授
木村草太

憲法と「生存権」

 日本国憲法には、大きく分けて自由権、請求権という2つの権利が定められています。 続きを読む