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連載エッセー「本の楽園」 第11回 ノーブック・ノーライフ(出版社篇)

作家
村上政彦

老舗の出版社の社長が、ある会合で挨拶をした。売れる本を出したい――一言でいうと、そういう話だった。僕は、溜め息が出た。彼を責める気持ちはない。多くの社員の生活を支える立場からすれば、仕方のないことだ。
しかも大手の出版社となると、社員は高給取りである。聞いたところでは、20代の後半で大台(年収1000万)に乗る会社もあるらしい。しかし――。 続きを読む