社会における文化芸術の役割とは何か。
柔構造の日本型社会の構築
今回上梓した『新しい広場をつくる』は、2001年に出版した自著『芸術立国論』(集英社新書)
のバージョンアップ版ともいえます。
『芸術立国論』の出版当時から比べると、政権交代や大震災を経て、社会情勢は大きく変わりました。その中でも特に、小泉構造改革によって浮き彫りになった地方の疲弊は非常に深刻な問題です。 続きを読む
社会における文化芸術の役割とは何か。
今回上梓した『新しい広場をつくる』は、2001年に出版した自著『芸術立国論』(集英社新書)
のバージョンアップ版ともいえます。
『芸術立国論』の出版当時から比べると、政権交代や大震災を経て、社会情勢は大きく変わりました。その中でも特に、小泉構造改革によって浮き彫りになった地方の疲弊は非常に深刻な問題です。 続きを読む
<シリーズ 文化芸術を考える>第1弾
文化・芸術の世界で学んだ人たちに向けて、誇りと使命をもってほしいと訴える宮島達男氏。その理由とは――。
「文化・芸術は、そこに携わる人たちの2つの〝ソウゾウリョク〟を鍛えてくれる」
私がそう考えるようになったのは、芸術大学で学生と向き合うようになってからです。毎年2万人に及ぶ人たちが芸術系の大学を卒業していくなかで、アーティストとして生計を立てられるのは、ほんの1%にも満たない人で、残りの99%は普通の社会人として世の中に出ていきます。 続きを読む
支え合う社会の構築に向けて日本人に求められるものとは何であろうか。宮沢賢治研究の第一人者・王敏氏が、日本人が忘れかけている〝日本人〟を語る。
情報化社会の中で、現代人は探求心が薄れてしまいました。それどころかあまりにも多すぎる選択肢を前に戸惑いが生じ、目眩を起こしてしまっています。
宮沢賢治の時代は、ものが少ない時代でした。少ないから選択する力が生まれ、探究心も芽生えます。その点では、ものに溢れた現代と比較した場合、逆に幸せな時代であったといえるかもしれません。 続きを読む