文化」タグアーカイブ

『二十一世紀への対話』が示す 多次元の融合(融和)と価値の共有を論ず

中国文化大学「池田大作研究センター」所長
李彦良

 2014年11月4日、創価学会学生部主催の第6回「学生部連続シンポジウム」が、東京都内で行われた。「池田・トインビー対談から学ぶ」と題して行われた同シンポジウムで基調講演を行った台湾・中国文化大学「池田大作研究センター」李彦良所長の講演要旨を紹介する。 続きを読む

【コラム】〝文化〟が生まれる場所――変わりはじめたタイの若者たちの暮らし方

フリー編集者
東 晋平

世界大会6位のバリスタ

 育ちざかりの年頃の子供は、ほんの少し会わないだけで、ぐっと背が伸びていたり顔つきが大人びていたりして驚かされるものだが、同じことは「国」にもいえると思っている。経済発展が進む若い国では、まず急加速でインフラが整っていく時期があり、少しすると人々の装いや仕草にも変化が見えてくる。この春、1年数ヵ月ぶりに訪れたタイでも、そうした若々しい変化をいくつか発見した。 続きを読む

長期展望に立って〝世界の文化財〟に資する取り組みを――書評『世界の読者に伝えるということ』

フリーライター
青山樹人

「世界文学」として読まれる村上春樹

「アジアの国々は日本や韓国などからさまざまな文化を〝輸入〟していますが、小説はそれほど〝輸入〟されていません」

 3月に開かれた東京国際文芸フェスティバルのトークセッションで、マレーシアの作家タッシュ・オー氏が語った言葉だ。 続きを読む

多様性ある市民社会づくりに取り組む「きょうとNPOセンター」

きょうとNPOセンター 常務理事・事務局長
野池雅人

 現在、NPO法人の数は全国で4万8000(平成26年1月1日現在、内閣府ホームページ)を超える。社会的な認知度が高まる一方、被災地支援NPOによる復興資金の着服など、その不透明さを問う声も少なくない。今後NPOはどう変わるべきなのだろうか。

「NPO」を支えるNPO

 私たち「きょうとNPOセンター」は、まちづくり活動を行う団体(以下、NPO)の支援を通じて多様性ある市民社会づくりを目指す組織です。
 設立のきっかけは1995年に起こった阪神・淡路大震災でした。まだNPOという言葉が生まれていない時代でしたが、全国からボランティアが被災地に集まり、何とか皆の力で町を立て直そうとしていたのです。 続きを読む

【コラム】「生き残る力」としての文化力――日本は「文化」を大切にする国か

フリーライター
前原政之

先進国なのに文化にお金をかけない日本

「文化力」という言葉を「国力」のニュアンスで最初に使ったのは、おそらく仏文学者の桑原武夫だと思われる。
 桑原は1979年9月6日付の『朝日新聞』に「劣勢な日本の文化力」という論考を寄せ、その中で「日本は国際的文化力では第三級」と断じ、「日本の対外文化宣伝費がフランスのそれの10分の1しかないことも問題だ」としている。 続きを読む