古本屋――それは本好きが最終的に行き着くところ、ある意味で象の墓場のような場所である。
僕の「古本屋」体験を語りたい。このコラムで「町の本屋」を取り上げたとき、僕の「本屋」体験を書いた。家の近くにあるS書房という小さな本屋へ通って、漫画を入り口として文学を読むようになった。S書房の文学の棚が、ほぼそのまま僕の部屋の本棚へ移った。 続きを読む
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連載エッセー「本の楽園」 第2回 ブームのその後 ラテンアメリカ文学最新事情
僕とラテンアメリカ文学の出会いを順序立てて語ると、世界文学と日本文学の在り方を交えた長い話になるので、読者を退屈させるわけにもいかないから、要所だけをしるすことにする。
20歳前後の頃のことだ。ふらっと入った古書店で何気なく手にした小説が、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』(1967)だった。これはおもしろかった。 続きを読む