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アピチャッポンの最新作、日本初公開――映画『光りの墓』

ライター
倉木健人

眠り病にかかった兵士たち

 世界が注目するタイの現代美術家にして映画作家でもあるアピチャッポン・ウィーラセタクン。2016年の日本がさながら〝アピチャッポン・イヤー〟になることは、以前に『世紀の光』についての本欄で述べた。
 その『世紀の光』に続いて3月26日から順次公開されるのが、この『光りの墓』だ。フランスの「ル・モンド」紙が「彼は新しい映画史を書いている」と評したアピチャッポンの、まさに最新作である。 続きを読む

天才アピチャッポンの未公開作がついに日本で封切り――映画『世紀の光』

ライター
倉木健人

2016年はアピチャッポン・イヤー

 2010年に『プンミおじさんの森』で、タイ人監督として初めてカンヌ映画祭パルムドール(最高賞)を受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン。1970年バンコク生まれ。タイ東北部のコーンケン大学で建築を学んだあと、米国のシカゴ美術館附属シカゴ美術学校で美術・映画制作の修士課程を修了した。
 これまで『ブリスフリー・ユアーズ』(02年)でカンヌの「ある視点賞」、『トロピカル・マラディ』(04年)で同「審査員賞」を受賞。いわゆる商業映画とは異なる〝個人的な映画〟としての作品を撮り続け、世界の注目を集めてきた。 続きを読む