日本共産党」タグアーカイブ

野党の惨敗で終わった衆院補選――「野党統一候補」が拒否された2つの理由

ライター
松田 明

大差で勝った与党候補たち

 10月23日、注目されていた衆議院補欠選挙が終わった。
 小池百合子東京都知事の議員失職に伴う東京10区と、鳩山邦夫・元総務相の死去による福岡6区。7月の参議院選挙後初めて、また民進党の蓮舫・新代表になって初めての国政選挙である。 続きを読む

めざすべき政権像を示せないまま「安倍政権打倒」を叫ぶ無責任――民進党の迷走(下)

ライター 
松田 明

手段と目的を履き違えた政党

 政治は、国民の信頼があってはじめて成り立つ。我々はかつて、国民の信頼に十分応えることができなかった。

 これは民進党の「結党宣言」の一文である。
 民進党は、民主党に維新の党や、維新の党から分裂したばかりだった改革結集の会などが合流して2016年3月に結党された。
 維新の党そのものが日本維新の会の分派や、みんなの党の分派の結いの党からなる政党で、くっついては罵り合って別れるという抗争を繰り返してきた者たちだ。 続きを読む

軽減税率で見せた公明党の現場感覚――『いま、公明党が考えていること』を読む(下)

ライター
松田 明

公明党が押し切った軽減税率

 2017年4月から、消費税が10%に引き上げられる。消費税の増税は、民主党政権時代の2012年6月に、「社会保障と税の一体改革」として自公民の三党合意で決まっていたことだ。
 公明党が導入を主張してきた軽減税率は、自公が政権に復帰した後、消費税10%時の導入が税制改正大綱に盛り込まれた。
 自民党や財務省は税収が減るとして、対象品目を「生鮮食品」のみに限定するという考えを打ち出した。公明党は、子育て世代や共働き世帯、高齢者は加工食品を利用する頻度が高いとして、加工食品も対象とすべきだと抵抗した。 続きを読む

結党50年。綿密な取材が描き出す、その素顔――書評『公明党の深層』

ライター 
青山樹人

赤裸々に描かれた公明党議員たちの〝秘史〟

 この6月に刊行された『公明党の深層』(大下英治/イースト・プレス)は、新書ながら全390ページの大部で、読み応えのある重層的な構成のノンフィクションに仕上がっている。
 公明党は、本年11月には結党50周年の佳節を迎える。日本の政党としては、日本共産党、自由民主党に次ぐ歴史の長さだ。しかも、現在も政権与党の一翼を担い、その自公連立の歴史は1999年の小渕政権から数えれば、共に野党に甘んじた民主党政権時代を含めて15年に及ぶ。 続きを読む