被爆体験を継承するための重要な一書
2015年に新たに上梓された『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』は、前年に出版された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』につづく長崎編と呼べるものだ。
『ヒロシマ』は表題のとおり、男性のみによる証言集だったのに対し、長崎編には男性・女性の体験から成っている。 続きを読む
2015年に新たに上梓された『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』は、前年に出版された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』につづく長崎編と呼べるものだ。
『ヒロシマ』は表題のとおり、男性のみによる証言集だったのに対し、長崎編には男性・女性の体験から成っている。 続きを読む
1945年8月――。日本が15年におよぶ戦争を終えてから69年目の夏を迎えた。310万人の日本人が犠牲となった先の大戦。東京大空襲や2度の原爆投下などで一般市民も100万人が泉下の人となった。
日本人は「被害者」としての側面もある半面、アジア太平洋地域では「加害者」としての側面を持つ戦争だった。
その中の1つに、1937年(昭和12年)、当時の中華民国の首都であった南京が陥落し、日本軍が入城する前後に行われた虐殺事件がある。 続きを読む
人類は核なき世界を実現できるか。芸術平和学を研究する田中氏に聞いた。
若いころから「自分だけにしか表現できない作品をつくりたい」と願っていた私は、28歳のとき、サンフランシスコの「国際美術展」へ出展する機会に恵まれました。会場でスピーチを求められた私は、父の被爆体験を語りました。
スピーチを終えると、1人の女性が涙を流しながら駆け寄ってきたのです。 続きを読む