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長期展望に立って〝世界の文化財〟に資する取り組みを――書評『世界の読者に伝えるということ』

フリーライター
青山樹人

「世界文学」として読まれる村上春樹

「アジアの国々は日本や韓国などからさまざまな文化を〝輸入〟していますが、小説はそれほど〝輸入〟されていません」

 3月に開かれた東京国際文芸フェスティバルのトークセッションで、マレーシアの作家タッシュ・オー氏が語った言葉だ。 続きを読む

【コラム】1万年のレッスン――〝ニッポン〟が秘める価値

ライター
青山樹人

世界を驚かせた日本人の姿

 ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんは、日本で覚えた「もったいない」という言葉を、環境保護の智慧を含んだキーワード「Mottainai」として世界に発信した。
 2009年のラマダン(イスラムの断食)期間中にサウジアラビアで放映された『ハワーティル(改善)』というテレビ番組は、たちまち同国の人々を釘付けにし、シリア、ヨルダン、エジプト、イラクなど周辺のアラブ諸国でも反響を呼んだそうだ。
 この番組は、学校で生徒たちが掃除をする、時間を正確に守る、順番に並ぶ、落ちていた財布を交番に届けるといった日本人の振る舞いを、驚きをもって紹介しながら、自分たちの社会も日本を模範に〝改善〟していこうという内容だ。 続きを読む

不穏な情勢だからこそ 政治は平和構築に取り組むべき

大田平和総合研究所主宰/元沖縄県知事
大田昌秀

平和を希求する沖縄の地からみた、政治と平和。

尖閣問題と政治的パフォーマンス

 今の日本の情勢は非常に危険であると思います。まるで中国や韓国と、再び戦争をやろうとしているかのように見受けられます。「右寄り」の雑誌の論調を見ると、その中身は戦前よりもひどい。韓国や中国に対して攻撃的な差別観をもったり、敵視したりするべきではありません。 続きを読む