国を動かした国会質問
2021年3月8日。参議院予算委員会で「ヤングケアラー」の問題が取り上げられた。
「ヤングケアラー」とは、家族にケアを必要とする人がいる場合に、本来は大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどをおこなっている18歳未満の子どものことだ。
たとえば障害や病気を持った家族の代わりに料理や洗濯などの家事をする。家族に代わって幼い兄弟姉妹の世話や見守りをする。目が離せない家族の見守りをする。日本語を母語としない家族のために通訳をしている。家族の看病、入浴やトイレ、食事の世話をする。
さらには家計を支えるために労働をする。ギャンブルやアルコール依存症を抱えた家族の対応をする。自死念慮や感情のコントロールができないなどの精神疾患を抱えた家族の対応を日常的にしているケースもある。
こうした実態はほとんど把握されず、あるいは「親思いの立派な子ども」という称賛に置き換えられて、かえって子どもに負担を強要してきた。 続きを読む