ワシントンが驚いた情報収集力
2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が起きてから、書店にはロシアやウクライナ関連の書籍コーナーが目立つ。ロシアやウクライナの基本的情報を綴ったものから、経済、軍事・安全保障、文学、地政学など、さまざまな視点に特化したものがベストセラーにランクインしている。
つまり、それは今回起きている軍事侵攻に人々が大きな不安を覚えている表れであり、同時にこれまで私たちがロシアやウクライナことをほとんど知らなかったことを意味している。
さて、そうした関連書籍のなかで、とくに注目されている一冊が佐藤優氏の『プーチンの野望』(潮新書)だ。6月6日に発売されるや、たちまち版を重ね、1カ月あまりで7万部を突破した。
本書は、私が職業作家になった05年以降、さまざまな媒体に発表したプーチン論を再編集し、加除修正を加えたものだ。この機会に昔の原稿を読み直してみたが、基本線について変更することはなかった。(本書「はじめに」)
さらに2月のウクライナ侵攻後、著者自身の思うところを語り下ろして新章としている。 続きを読む