「政治と宗教」の問題ではない
政治家と世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)の関係をめぐる報道が連日、人々の耳目を集めている。
旧統一教会は宗教法人ではあるが、全国霊感商法対策弁護士連絡会が把握している被害額だけで1237億円(1987年~2021年)を超えるようなきわめて反社会性の強い実態が明らかになっている。そうした団体が社会的信用を偽装するために、さまざまな手口で政治家に接近してきた。
憲法学が専門の南野森(みなみの・しげる)九州大学教授は、
旧統一教会の問題は政治と宗教の問題というよりは、政治と不法行為を繰り返す団体の問題であると理解すべきだ。「信教の自由」や「政教分離」といった憲法上の一般的な問題と捉えるべきではない。(『毎日新聞』8月9日)
と指摘している。 続きを読む