「仙骨」と「軸」を重視する身体操法
田島道場の技法については稽古を見学して説明を受けただけでは理解が及ばないため、田島一雄・教士8段(1947-)に、改めて那覇市内の飲食店で2時間ほど話を伺った。
田島氏は16歳のとき、同じ高校に通っていた同級生だった親友、松林流宗家2代目にあたる長嶺高兆(ながみね・たかよし 1945-2012)の影響で長嶺道場に入門して以来、空手歴(武歴)は60年を超える。
その空手は長嶺将真や兄弟子・高兆の指導から始まり、その後、喜舎場塾の初代・2代塾長の教えを基本に、自身のオリジナルを加えたものだ。そのため大方は新里塾長の教えと重なるものの、多少異なる部分もあると説明する。
前回言及したように、喜舎場塾の手法においては「脱力技法」と「重心の垂直落下」がその基本となる。脱力技法は筋肉のムダな力を〝抜く〟という意味で、立ち方一つとっても筋肉を使って立たず、骨で立つという考え方だ。骨格そのもので立ち、その上でさらに「軸」の概念が不可欠の要素となる。 続きを読む