Z世代の価値観
まず、この本はなによりも高校生(もちろん中学生でもいい)に読んでもらいたい本だ。というのも、2020年代の最新の学問の到達地点という意味で〝経済学とは何か〟が16もの切り口から語られているからだ。
将来の進路を考えるにあたって、たとえば大学に進むとした場合、何学部が自分にとって一番ふさわしいのか。「偏差値」「就職率」といった旧世代の〝ものさし〟で進路を選ぶことに、きっと多くの中高生はどこか違和感を覚えているはずだ。
アメリカのZ世代の価値観を語った竹田ダニエルの話題の書『世界と私のA to Z』(講談社)では、
過剰な格差社会が、資本主義によって引き起こされた現実を知ったZ世代は、従来の「働く意味」や「仕事への価値観」に大きな違和感を感じている。
(中略)
地球全体の環境を大切にすることはZ世代的価値観であると本書で何度か書いているが、そもそも気候変動や迫り来る資源の枯渇は、Z世代にとっては生まれた時から常にそばにある、切実な問題なのだ。
と綴られている。 続きを読む