閻連科(えんれんか)――中国の現代文学に関心のある人なら、一度は耳目に触れた名ではないかとおもう。僕は、この小説家の書く作品が好きで、何冊かは読んでいる。そして感心した。
僕はそれほど詳しいわけではないが、中国には、何人かすごい小説家がいる。90年代には、ラテンアメリカ文学のブームがあったけれど、もし、日中韓などを核にして、東アジア文学のようなムーブメントが起きたとしたら、ラテンアメリカ文学のガルシア・マルケスに匹敵するのが、閻連科ではないか。
彼の小説は、だいたいスキャンダラスだ。母国では禁書扱いにされている作品もある。でも、そういう小説家の書くものは、体制とスリリングな関係にあるからこそ、おもしろい。読む価値もある。
ところが、本作『年月日』は、閻連科自身が、この作品は自分が書くほかの小説とは違っている、閻連科はこのような小説も書くのだと知ってほしいといっている。もちろん、力強い文章の運びや物事の本質を射抜く眼の働き方は、やはり、閻連科の小説だ。 続きを読む
