シュリーマンの2つの業績
現在のJR八王子駅から北に延びる道路には、甲州街道から浅川大橋のたもとまで道沿いに桑の木が街路樹として続いている。今や10万人を超す学生が学ぶ日本有数の学園都市である八王子市だが、昭和の時代までは「桑都(そうと)」と称されていた。
ヨハン・ルートヴィヒ・ハインリヒ・ユリウス・シュリーマン(1822-1890)は2つの業績で知られる。
1つは、トロイア遺跡の発掘だ。古代ギリシャの詩人ホメロス(紀元前8世紀頃)の叙事詩に登場する「トロイア」の実在を信じた彼は、ビジネスでなした巨万の富をつぎ込んで発掘調査にあたった。
その結果、古代ギリシャ文明より前に高度な文明が地中海沿岸に存在していたことが明らかとなった。
もう1つは、彼が考案して実践した「シュリーマン・メソッド」と呼ばれる語学教育の学習法。貧困家庭に育ち正規の学校教育を受けられなかったシュリーマンは、独自のメソッドによって働きながら十数カ国語を身につけ、貿易商として成功しヨーロッパ有数の富豪となった。 続きを読む