法案成立を報じる『公明新聞』(6月17日付)
誰も得をしない野党の選択肢
身も蓋もない言い方をすれば、政治は妥協の産物である。時には、多数派と少数派が妥協し合って合意形成するのが民主主義であり、それすらできない社会は強権独裁である。
今回、自民党と公明党は数の上で与党だけでも法案成立が可能だったが、あえて自民党内の一部反対派を押し切り、さらに日本維新の会や国民民主党との合意を取りつけるために法案修正までした。
あたりまえの話だが、各党にはそれぞれの支持層があり体面もある。合意するためには各党が支持者に説明できる、それぞれの論理の一貫性が必要だ。
微妙な話をすれば、法文の解釈に関して、保守的な議員や支持者が納得できるロジックを用意する場合もあるだろう。事実、保守的な支持層に向けて、法律がむしろLGBTQ+の権利を抑制できるものだと強弁している議員もいる。
だからこそ、国会の場で政府側の詳細な答弁を引き出しておくことが重要なのだ。
ところが立憲民主党や日本共産党は、こうした合意修正を経て与野党が理解増進法を成立させることを全否定し、あくまでも自民党保守派が土壇場で葬った2021年の超党派議連の合意案にこだわった。 続きを読む