沖縄伝統空手のいま 特別番外編⑦ 沖縄空手会館の管理責任者・長堂綾所長インタビュー「むしろこれからがスタート」

ジャーナリスト
柳原滋雄

受託後いきなりの「コロナ禍」へ

沖縄空手会館の施設運営にあたる所長の長堂綾さん

 沖縄県の肝煎りで那覇市に隣接する豊見城市に沖縄空手会館がオープンしたのは2017年3月。以来6年以上が経過し、現在の指定管理者(OTS MICE MANAGEMENT株式会社を中核とする4社の共同企業体)による運営がはじまっている。
 開館から3年間は一般財団法人・沖縄観光コンベンションビューローが指定管理者として受託、2020~22年度は沖縄県内資本の旅行会社である沖縄ツーリスト株式会社が代表企業を務める沖縄空手振興ビジョン推進パートナーズが指定管理の委託を受けた。
 2023年度4月から、グループ会社のOTS MICE MANAGEMENT株式会社が代表企業を引き継ぎ、株式会社セイカスポーツセンター、館内清掃や施設管理を担当する沖縄ビル管理株式会社、周辺の植栽に関わる有限会社西原農園で管理・運営されている。
 沖縄空手会館の運営を開始した2020年4月以降、同じ月に新型コロナの感染拡大により「臨時休館」の措置がとられ、通常営業がかなわなくなった。そのため当初の予定と大きく異なる変更を余儀なくされた。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま 特別番外編⑥ 沖縄県空手振興課長・桃原直子さんインタビュー㊦ 「コロナ後を見据えて仕切り直す」

ジャーナリスト
柳原滋雄

「空手発祥の地」認知度アップの課題

空手振興課の3人目の課長・桃原直子さんと班長の仲間直樹さん

――沖縄が「空手発祥の地」である認識は県内ではそれなりに定着していますが、国内の県外にどう広げるかというのは前々からの課題ですね。現状はいかがですか。

桃原直子課長 令和4年度に新たに調査した結果では、県内の認知度は88.5%、県外は30.8%、海外は初めて調査して49.1%という数字でした。前回とった調査では、県内96%、県外34.6%でしたので、いずれも少し低下しています。おそらくコロナなどで道場が閉まったことなどが影響していると考えています。

――意外ですね。調査方法が変わったとか。

桃原課長 いえ、方法は同じです。2021年に東京オリンピックがあって、沖縄の喜友名選手が金メダルをとったのでその影響で伸びると思ったのですが、コロナ禍で空手関連のイベントが大きく減ったことも影響したのかもしれません。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま 特別番外編⑤ 沖縄県空手振興課長・桃原直子さんインタビュー㊤ 「コロナ後を見据えて仕切り直す」

ジャーナリスト
柳原滋雄

4年以上空手業務を経験

空手振興課の3人目の課長・桃原直子さん

――縁ありまして、初代の山川課長(4年間)、2代目の佐和田課長(3年間)にも取材をさせていただきました。この4月から3人目の課長として桃原直子さんが就任されました。行政職として空手関係の仕事をされるのはそれなりに長いのですね。

桃原直子課長 2016年4月に空手振興課が設置された際、班長として1年間、関わりました。その直前の文化振興課時代には主幹として2年間空手を担当していました。空手振興課の班長時代は沖縄空手会館の共用開始が最大の課題でしたので、展示室に何を置くかなど、直前まで検討を重ねました。もともと空手は無形の文化ですので、それをいかに展示するかという難しさがありました。さらに沖縄空手会館の管理とともに、第1回沖縄空手国際大会(2018年)の準備を行っている段階で、別の部署に異動になりまして、昨年4月、再び班長として戻ってきました。トータルで課長就任以前に4年間、空手と関わっています。 続きを読む

共産党VSコミュニティノート――信頼を失っていく野党④

ライター
松田 明

デマへの注意喚起機能が実装

 この7月から、SNSの「X」(旧ツイッター)には「コミュニティノート」という新機能が日本でも実装されるようになった。
 これは、誤情報が拡散されることを防止するために、誤解を招く投稿やデマ投稿に対してコントリビューター(協力者)たちが補足の「背景情報」を添えて指摘できるというものだ。
 じつは、この機能が実装されてから、国会議員らの誤った投稿にもしばしば注意を促すコミュニティノートが加えられるようになった。
 7月9日、元民主党代表の鳩山友紀夫(由紀夫から改名)氏が、

近々NATO首脳会議が開かれるが、ゼレンスキー大統領はNATO軍にロシアに対して核攻撃をして欲しいと要請している。そんなことをしたら、ロシアが核で反撃することは間違いなく、全面的な核戦争で人類が滅びてしまいかねない。NATOがゼレンスキー大統領の要望を受け入れないことを切に望む。(7月9日の投稿

と投稿。だが、すぐに「背景情報」が付けられ、これは誤った英字字幕による偽情報だと注意が促された。鳩山氏は12日に「お詫びして撤回する」と表明した。 続きを読む

孤立を深める日本共産党――信頼を失っていく野党③

ライター
松田 明

「日本からなくなったらいい政党」

 7月23日、インターネット番組に出演した日本維新の会の馬場伸幸代表は、日本共産党について、「言ってることが世の中ではあり得ない、空想の世界を作ることを真剣にマジメに考えている」「日本からなくなったらいい政党」などと発言した。
 日本共産党が党綱領で「社会主義・共産主義の社会」をめざしていることを指していると思われるが、共産党側は猛反発し、発言の撤回を要求した。
 だが馬場代表は26日、「謝罪や撤回するという気は全くない」と述べた。

 馬場氏はその上で、共産について「公安調査庁から破防法(破壊活動防止法)による調査団体に指定されている。破防法による調査対象団体ということは、危険な政党であるというふうに、政府としてみているということだ」と述べた。(「朝日新聞デジタル」7月26日

 事実、公安調査庁のサイトには、「共産党が破防法に基づく調査対象団体であるとする当庁見解」が掲載されている。 続きを読む