本が好きだ。読むのは当然だけれど、手にすることが好きだ。新刊を置いている町の本屋やなつかしい匂いのする古本屋をパトロールして、おもしろそうな本を探すのが好きだ。10代のころからそんな本とのつきあいをしている。
小説、詩、エッセイなど文学関係はもちろん、画集、写真集、展覧会の図録、ZINE、フライヤーなども、僕にとっては本に部類に入る。文字が書いてあれば、あるいは井筒俊彦風にいうと、そこにコトバがあれば、雲が浮かぶ空だって本になる。
そんなわけで、好きなジャンルは、本にまつわる本ということになる。たとえば書評集。これは本を読んだ読み手が、その本について紹介し、評価を下し、本の批評に託して世界や人間の在り方を論じたりする。
それを読んで僕は、自分がすでに読んだ本であれば、書き手の意見を吟味し、賛成したり、反対したりする。いつの間にか読書会になっている。これは本好きにとってパラダイスである。だから、僕の蔵書のなかには、書評集がけっこうある。
ここでとりあげるのも、古本屋をパトロールしていたときに見つけた書評集だ。『クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書』というタイトルと、ZINEっぽい姿(本というよりも小冊子に近い)に惹かれて、手に取った。 続きを読む
