第49回 正修止観章⑨
[3]「2. 広く解す」⑦
(7)灌頂による十六の問答②
⑦第七の問答:対象界の個別性について
対象界の個別性について質問が立てられる。これに対して、十種の対象界がたがいに同じでないことが個別性の意味であると答えている。さらに、共通でもあり個別的でもあること(亦た通にして亦た別なり)を取りあげ、五陰がそれに当てはまることを示している。五陰は、第一に輪廻転生して身体を受ける場合の根本であり、第二に観察する最初の対象界である。この二義によって、五陰は他の九種の対象界と相違するので「亦別(やくべつ)」(亦た別なり)といわれる。また、五陰は他の九種の対象界と共通する面もあるので「亦通(やくつう)」(亦た通なり)ともいわれる。
これに対して、他の九種の対象界は、他と異なった特徴を生ずることから名づけられていて、ただ共通である(是れ通なり)か、個別的である(是れ別なり)かのどちらかだけであって、共通でもあり個別的でもあるということはないと述べている。必ずしも明瞭な説明ではないと思われるが、五陰の持つ二義が他の九種の対象界と区別されることを重視していることは間違いない。 続きを読む