公明党山口代表・全国遊説第一声(2月5日)
投票所に足を運ぶ意味
さて4月。いよいよ統一地方選挙である。
国政選挙と違って地方議会選挙は微妙に盛り上がりに欠ける。与野党の勝敗が一目瞭然とならないうえに、市区町村議会と都道府県議会の選挙が混戦し、さらに市長や知事の首長選挙だけで今回は234ある。政治にあまり関心のない人からすれば、誰に投票すれば自分や自分の地域にとってプラスになるのか分かりづらい。
とはいえ、実際にわれわれが〝主権者〟として権力を行使できるのは選挙という行動だけなのだ。「棄権」「白票」も今の政治に対する一つの意思表明のカタチだという意見はあるが、それは白紙委任に等しく、ツケを支払わされるのは自分たち有権者になる。
地方議会議員の報酬も国会議員の歳費も、出どころは私やあなたの納めた税金だ。なにより選挙には「定数」というものがある。仮に積極的に当選させたい候補者が見当たらない場合でも、あなたは〝よりマシな〟候補者を当選させるべきだ。それはせめて〝ろくでもない〟候補者に特権と血税を与えないための大事な行動なのだ。
〝ろくでもない〟候補者を当選させてしまった結末を、私たちはすでにたくさん見てきた。議員バッジをつけながら覚せい剤や暴行傷害、性犯罪、飲酒運転で逮捕された者。政務調査費や通信費をごまかして懐に入れていた者。虚偽申請で議会をさぼり妻と沖縄旅行に行っていた者。秘書が殺人未遂で逮捕された者。海外逃亡したまま歳費だけをせしめていた者。残念ながら、公職に就く資質も信念もないまま、政党の人気に便乗してオイシイ人生を手に入れようとする不届き者は一定数いる。
「公明党の地方議員こそ理想」
今年(2023年)2月に政治評論家の森田実さんが90歳で亡くなった。森田さんは東大在学中に日本共産党に入党し、全学連の指導部で「砂川闘争」を指揮したバリバリのマルクス主義者だった。
だが武装闘争をエスカレートさせる極左冒険主義を批判したことで共産党を除名される。出版人を経て政治評論家になってからは、是々非々で自民党の保守本流を評価していた。自分が評価してきた政治家でも堕落すれば歯に衣着せぬ物言いで徹底して斬る。雑音を恐れず、自民党に対しても平和に反するような動きは厳しく批判した。
そんな森田さんが最晩年のおよそ10年、心底から信頼を寄せ、文字どおり命を削るように応援したのが公明党だった。
森田さんのフェイスブックは2022年7月20日が絶筆になっている。直前に行われた参院選を総括した文章が綴られているが、その最後は公明党への期待で終わっている。
公明党は日本国民の運命に責任を負っている政党です。このような、大きな逆風のなかで、公明党は参院選を戦い、善戦健闘した、というのが私の見方です。(森田実氏の「フェイスブック」2022年7月20日)
森田さんは90歳近くなっても、真夏でさえ羽織袴を着けて正装し、公明党の応援弁士として日本中を駆けた。その森田さんが逝去の1年前に、次のように寄稿している。
コロナ禍において、公明党は徹底的に小さな声を聴いてきました。なかでも徹して大衆のなかに飛び込んできた各地の地方議員の取り組みには、目を見張るものがあります。私は、公明党の地方議員こそ、政治家の理想だと考えています。(『第三文明』2022年2月号)
公明党の地方議員こそ政治家の理想――これが左から右まで戦後の日本政治を凝視し続けた森田さんの結論だった。
「1」が「3000」になる
あなたの日頃の〝推し〟の政党がどこであったとしてもいい。ただ、あなたの暮らす選挙区に公明党の地方議員がいるのなら、その公明党の議席は断然守るべきだと言いたい。
第1の理由は、他党にはできないことが公明党にはできるからだ。全国3000人の議員のネットワークである。公明党は市区町村議員から国会議員まで、地域も越えて上下ではなくフラットな関係で緊密に連携している。しかも与党だから政策実現力が断然違う。これは全政党で公明党だけが持つ能力だ。ついでに言えば、公明党議員は仕事が速い。あきれるほど粘り強い。
点字ブロック、ドクターヘリ、校舎の耐震化、学校のエアコン、教科書無償配布、児童手当、女性専用車両、駅のホームドアやバリアフリー、ジュースの成分表示、加工食品のアレルギー表示、ヘルプマーク、軽減税率、携帯電話の番号ポータビリティ……。あなたの日常の「あたりまえ」にも、公明党のチーム3000が小さな声を形にしたものがあふれている。
あなたの住む選挙区に公明党の地方議員が1人誕生することは単なる「1」ではなく、あなたの暮らしが「3000人」の議員ネットワークとつながることを意味する。これだけは他の政党の議員が逆立ちしても真似できないことだ。
第2の理由は、国政と違って地方自治は「二元代表制」だ。国政の場合は多数派の政党から首相が出る。しかし、地方自治では首長(市長・知事など)も議会も、それぞれが住民の選挙で選ばれる。大統領制に近い。
なぜ双方を住民が選挙で選ぶ「二元代表制」にしているかといえば、首長と議会に緊張感とバランスをもたらすためだ。
だから、もし首長もAという政党出身、議会もA党が圧倒的多数になると、なんのための二元代表制か分からなくなる。首長にとっては何をやっても議会からチェックされることもなく、健全な民主主義が働かなくなるのだ。
とはいえ、「なんでも反対」のパフォーマンス政党やイデオロギー政党が首長の政策にことごとく反対するというのでも、これまた行政は停滞する。住民の声を汲み、首長と是々非々の議論ができて、最後はちゃんと首長とも他会派とも役所とも合意形成ができる政党が一定数いて、はじめて地方政治は活性化され円滑に動くのだ。
あなたの選挙区をよく見てほしい。この「首長と是々非々の議論ができて、最後はちゃんと首長とも他会派とも役所とも合意形成ができる政党」は、おそらく公明党しかないはずだ。
第3の理由は、ご存じのように公明党の議員は支持者の熱心な支援で当選を果たしている。風に乗って当選する公明党議員など見たことがない。残念ながら政党人気に便乗して当選した議員ほど、信じられないような不祥事が多い。支持者のチェック機能が働かないから当然だ。
公明党の議員にとっても、それを真剣に支援する支持者にとっても、選挙はゴールではなくスタートに過ぎない。当選してから、どれだけ仕事をするか。公明党の支持者は、自分が熱心に支援を頼んで回っただけに、そこを厳しく見ている。毎回の選挙で完勝をめざすのも、議員として長く育てることが目的だからだ。
公明党の〝1議席〟は、他党の1議席とは根本的に重みが違う。しっかりと見極めて、くれぐれも「うっかり投票、ガッカリ4年」にならないようにしてほしい。
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