厚労省にワクチンの予算確保を促す秋野公造議員(2020年7月参議院予算委員会)
「今年は公明党の存在が重要」
WHO(世界保健機構)が新型コロナウイルス感染症のパンデミック宣言(2020年3月11日)を出して2年になる。
現時点で、日本国内での感染者の累計は560万人を超え、死者は2万5721人に達している。(3月10日23:59時点のNHKまとめ)。
この2年間で既に東日本大震災を上回る死者が出ていることになる。あらためてご冥福を祈りたい。
それでも先進主要7カ国(G7)のなかで、日本は死亡者数、致死率すべてでもっとも低く抑えられてきた(NHK「世界の感染状況」)。
ワクチン接種は3回目の追加接種が国の大規模接種センターや各地の自治体ではじまっている。2回までの接種を終えた人の人口に占める割合では、日本は約80%。韓国、中国に次いで世界に3番目の高さだ(NHK「世界のワクチン接種状況」)。
国産メーカーによる「飲み薬」も、塩野義製薬が2月25日に厚労省に製造販売の承認申請を出した。3月末までにまず100万人分を製造する予定という。
未知のウイルスの世界同時パンデミックという状況のなかで試行錯誤しながらも、総じて日本のコロナ対策は世界的に見て成功してきたと言えるのではないか。
この間、政治は直接的な感染症対策と、コロナ禍によって生じた国民生活への打撃や孤立の解消など副次的な対策の2つにあたらなければならなかった。
生じるさまざまな課題は、大都市圏と地方の小規模自治体では異なるし、人々のダメージの中味も世帯収入や属性、単身者、ひとり親など世帯ごとにも違う。
さらに、コロナ禍であっても災害や少子高齢化など、待ったなしで対応の迫られる課題があった。これらを考えたとき、日本が自民党と公明党の連立政権であったことが、どれほど重要だったか。
今年は公明党の存在がますます重要になってきます。(中略)公明党が一貫して取り組んできたように、全力を挙げて困っている人々を救っていくことです。コロナ禍において、公明党は徹底的に小さな声を聴いてきました。(政治評論家・森田実氏/『第三文明』2月号)
各国の政策転換にも寄与する
最初はクルーズ船内の出来事に見えていたコロナ感染が市中に広がりはじめた2年前の2020年2月。公明党はいちはやく「専門家会議」の設置を政府に提案。さらに影響を受ける観光業界や畜産業界などへのヒアリングを開始した。
4月に最初の緊急事態宣言が7都府県に発出(16日に全国へ拡大)されると、公明党の山口代表が官邸に乗り込み、安倍晋三首相(当時)を説得して、特別定額給付金の給付対象を全国民一律に変更させた。
刻々と変化する状況の推移のなかで、大衆のなかに根を張る公明党は、このままでは大きな試練と不安に直面している国民のあいだに「分断」を生じさせてしまうという危機感をキャッチしていたのだ。
5月には他党に先がけてワクチンのプロジェクトチームを設置。これが功を奏して、政府は海外ワクチン確保へ予備費を活用する決断をする。
同時に、公明党はワクチン争奪戦で途上国への供給が滞ることを予測し、途上国などに供給する国際枠組み「COVAXファシリティー」に資金拠出するよう日本政府を動かした。
日本が先頭に立った結果、当初はCOVAX支援に消極的だった欧米先進国も政策を変更。Gaviワクチンアライアンスのセス・バークレー事務局長は、
公明党が主導し、日本が各国に先駆けてCOVAXに参加したことで「かつてない世界的な協力が進んでいる」と公明党の果たした役割を高く評価し、「日本は感染症の解決に対して大変大きなリーダーシップを発揮してくれている」とも述べた。(「公明ニュース」2021年5月11日)
と率直な謝意を示している。
2021年4月からはじまったワクチン接種についても、公明党は無償化を推進。これは現在のブースター接種(3回目追加接種)でも予算を計上して無償化が続いている。
自治体での接種にあたっても、小規模自治体では年齢制限を設けないで自治体の裁量に任せることや、会場に看護師の派遣ができるよう国に要請するなど、現場のニーズに迅速に応えてきた。
また中和抗体薬を入院患者以外でも使用できるよう国を動かし、このことで訪問医療の現場では多くの命が救われた。
国産「飲み薬」の開発も公明党が一貫して尽力してきた。
政治のさらなる安定が急務
コロナ禍では多くの国民が生活にさまざまな打撃を受けたが、ひとり親家庭、女性、学生など、弱者にとりわけしわ寄せがいった。
公明党は「生理の貧困」問題を国会ではじめて取り上げて全国の状況を改善へと動かしたほか、コロナ禍でも若者の声を集める「ボイスアクション2021」を実施。1人あたり最大20万円を支給する「学生支援緊急給付金」を実現させたほか、携帯料金の引き下げを菅首相(当時)に強く働きかけて実現させている。
21年2月には社会的孤立防止対策本部を設置。公明党からのさまざまな提言を受け容れた政府は、21年の12月に24時間対応の相談体制の整備や、地域との「つながり」の場づくりなどを盛り込んだ「孤独・孤立対策の重点計画」を決定した。この計画では現場を支える各種NPOへの支援も明記されている。
雇用調整助成金(雇調金)や生活福祉資金などの特例措置がこの3月末で期限を迎えることを踏まえ、さる2月21日の衆議院予算委員会、25日の参議院予算委員会でも公明党は期限の延長を主張。いずれも岸田首相から「現行の特例措置を継続する」との答弁を引き出した。
世界全体でコロナ禍がまだ終息しない一方、国際情勢は緊迫を高め、経済にも影響が出はじめている。政治には安定と同時に、国民の小さな声をしっかり聞いて政策に反映させる力がますます求められる。公明党の果たすべき役割は大きい。
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