社会」カテゴリーアーカイブ

日本再生の力は成熟したインターネット文化にある

評論家
宇野常寛

政治、経済に閉塞感が漂う中、日本文化の力を今一度問い直す。

露呈したテレビ、ネットの限界点

 2013年のカルチャーは、テレビドラマが息を吹き返した年だったと考える人が多いと思います。顕著なものとしての「半沢直樹」「あまちゃん」がありますが、これらはどちらも中核のユーザーが40代だったと言われています。
 これは今のテレビの手法やテレビに携わる人たちの創造力で巻き込める限界が、団塊ジュニアのアラフォー世代にあるという現実が露呈したといえるでしょう。 続きを読む

世界一の少子高齢社会は、こう迎え撃て! ――子ども・子育て新制度、若者、起業

認定NPO法人フローレンス代表理事
駒崎弘樹

こんにちは、ハイパー高齢社会

 米国のデイヴィッドソン教授によると、これから20年後、65%の人は現在では存在しない仕事に就いているそうです。つまり、我々の生きる時代は、極めて激しい変化に見舞われることだけは確実で、予測なんておこがましくてできません。
 とはいえ、ある程度言えることもある。先進各国はグローバリゼーションへの対応が課題になっていますが、日本の場合には人口減少という大問題が付加されてきます。 続きを読む

今、なぜ「ナショナリズムの復権」なのか

東日本国際大学准教授
先崎彰容

著者自らが語る〝ナショナリズム復権〟の本質とは――。

死生観、倫理学にまとわる問い

 拙著『ナショナリズムの復権』(ちくま新書、2013年6月発刊)を出してから、反響は、筆者の予想を大きく超えるものであった。書評が出て、講演依頼が来て、最後にはテレビの出演依頼まできた。それは完全に「予想外」の出来事であった。 続きを読む

文化芸術が開く 地域再生・日本再生への道

劇作家・演出家
平田オリザ

社会における文化芸術の役割とは何か。

柔構造の日本型社会の構築

 今回上梓した『新しい広場をつくる』は、2001年に出版した自著『芸術立国論』(集英社新書)
のバージョンアップ版ともいえます。
『芸術立国論』の出版当時から比べると、政権交代や大震災を経て、社会情勢は大きく変わりました。その中でも特に、小泉構造改革によって浮き彫りになった地方の疲弊は非常に深刻な問題です。 続きを読む

障害者福祉の現状と展望

日本障害者協議会常務理事
藤井克徳

 閉塞感から脱け出せなかった日本の障害分野で新たな2つの道が開かれる。

死亡率2倍の背景に何が

 障害のある人(以下、障害者)にとって、衝撃的な数値が明らかになった。それは、あの東日本大震災と障害者の関係をめぐってである。障害者の死亡率が、全住民の死亡率の2倍に達したことが確定的になったのである(宮城県当局、主要メディアの調査によって)。高齢者の犠牲率の高さと合わせて、「2倍の死亡率」に込められている意味はきわめて重いものがあろう。 続きを読む