政治」カテゴリーアーカイブ

【2013年新春鼎談】つながる社会――日本の進むべき道を語る

脳科学者 茂木健一郎
反貧困ネットワーク事務局長 湯浅 誠
作家 ジョン・キム

 課題多く、先行き不透明な社会が、今再び活力を取り戻すためのキーワードは「つながる社会」。茂木健一郎氏、湯浅誠氏、ジョン・キム氏がそれぞれの立場から、これから我々が抱える問題を切り開くヒントを語る。 続きを読む

穏健な中道主義で 国民のための政治を

政治評論家
森田 実

※この記事は2012年12月に行われた総選挙の前にインタビューしたものです。

偏狭な領土ナショナリズム

 孔子の論語に「遠慮なければ近憂あり」という言葉があります。ここでの「遠慮」とは、遠くのこと、つまり現在より先のことを考えることです。将来のことを考えて現実に臨まなければ必ず悪いことが起きるという意味です。
 これは現在の日本の政治にもあてはまります。2012年9月11日に民主党の野田内閣は、尖閣諸島国有化を閣議で決定しました。 続きを読む

新しい「生きるモデル」の構築を急げ!

北海道大学大学院教授
山口二郎

自民党安倍新政権がスタート。希望ある未来構築のために必要な新政権の課題とは何か。

アベノミクスに、浮かれてはいけない

 今の政権運営を見ていると、前回の安倍政権の失敗からかなり学習して慎重な政権運営をしていることを感じます。つまり、野党時代の主張と政権奪取後の言動にいい意味での開きがある。たとえば、安全保障問題や歴史認識の問題などについては、安倍首相本来の持論からはかなりトーンダウンしているわけで、そこには、近隣諸国や国民に余計な心配をかけまいとする現実的な配慮があります。これは評価に値します。
 ただ、期待感が高まっているアベノミクスについては多少疑問を持っています。 続きを読む

熟議を重ねたマニフェストを策定し、善政の競争を

早稲田大学大学院公共経営研究科教授
北川正恭

政治はどうビジョンを作り、示すべきか。今後の中央と地方のあり方とは。

※この記事は2012年12月に行われた総選挙の前にインタビューしたものです。

マニフェストに対する検証・批判を

 高度経済成長期における政治の主な仕事は、富の分配でした。国にお金があったため政治のほうが供給サイドになり、強い立場にあったといえます。そのため有権者は政治に対して陳情し、富の配分にあずかる弱い立場でした。
 しかし今は、低成長、無成長の時代です。政治行政の役割は「富の分配」から「負担や不利益の分配」へと変化しました。皆で負担し合って弱者を助ける社会を作ることこそ、民主政治の目指すべき姿だといえます。 続きを読む

不穏な情勢だからこそ 政治は平和構築に取り組むべき

大田平和総合研究所主宰/元沖縄県知事
大田昌秀

平和を希求する沖縄の地からみた、政治と平和。

尖閣問題と政治的パフォーマンス

 今の日本の情勢は非常に危険であると思います。まるで中国や韓国と、再び戦争をやろうとしているかのように見受けられます。「右寄り」の雑誌の論調を見ると、その中身は戦前よりもひどい。韓国や中国に対して攻撃的な差別観をもったり、敵視したりするべきではありません。 続きを読む