メディア」カテゴリーアーカイブ

「江戸しぐさ」と「親学」――オカルト化する日本の教育

歴史研究家/偽史・偽書専門家
原田 実

親学で発達障害が治る?

 このところ、教育関係の話題に「親学」というキーワードが散見されます。親学の中核にあるのは、「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長の高橋史朗氏(麗澤大学大学院特任教授)の思想です。高橋氏は、科学の名や伝統の名を借りて自身の思想を権威付け、一般論として受け入れやすい形にしています。しかし、その〝科学〟や〝伝統〟は、実のところニセ科学であったり、偽史であったりするのです。 続きを読む

偽史「江戸しぐさ」を推進する問題点とは何か

歴史研究家/偽史・偽書専門家
原田 実

捏造にまみれた「江戸しぐさ」

「江戸しぐさ」という言葉を耳にしたことのある方は少なくないと思います。江戸しぐさ普及の中心的役割を担ってきたNPO法人江戸しぐさでは、譲り合いの精神で気持ちよく交流するための「江戸商人の行動哲学・マナーが江戸しぐさ」であると定義しています。
 しかしその一方で、江戸しぐさはすべて口伝であるため、古い文献や証拠などは一切残されていないとしています。 続きを読む

不確実な時代の「うわさ」と個人の関係を考える

中央大学教授
松田美佐

 人々はなぜ「うわさ」を好み広げるのか。「うわさ」は私たちの暮らしに、どのような影響をもたらすか。人間や社会を「うわさ」から読み解く。

「うわさ」は最も古いメディア

 もともと大学で社会心理学を学んでいた私は、メディアの仕組みや人間のコミュニケーションに興味があり、自然と「うわさ」の持つ特性に関心を抱くようになっていました。
 人間が手にした「最も古いメディア」と呼ばれるうわさは、新聞やテレビが普及しようとも、携帯電話やインターネットが世界中で利用される時代が訪れても、いまだに廃れることなく存在し続けています。 続きを読む

患者の〝生きる力〟を蝕む近藤誠医師の「がん放置療法」

医師
押川勝太郎

 がんの放置が何をもたらすか――。がんの治療の現場で、日々〝患者の命〟と向き合う医師から見た、近藤誠医師の主張の虚実と問題点に迫る。 続きを読む

近藤誠医師の「がん放置療法」を斬る

内科医
NATROM

『患者よ、がんと闘うな』『がん治療で殺されない七つの秘訣』などベストセラーを連発する近藤誠医師の主張は、果たして医学的と言えるのか。現役の内科医が近藤氏のうそを暴く。 続きを読む