都議選最終チェック――知事の「支持勢力」過半数なるか

ライター
松田 明

報道各社の一致した見方

 目前に迫った東京都議会議員選挙。
 共同通信社が6月24、25日に実施した調査では、

 既に投票先を決めている人の政党別内訳は、都民ファが26.7%、自民党が25.9%。(共同通信47NEWS

という結果が出た。
 都民ファーストが第1党をうかがう勢いで自民党と僅差で競り合っている。
 告示日6月23日の各メディアは、今回の都議選の〝焦点〟について、ほぼ一致した論調を示した。

 都民ファーストと公明党など小池知事の支持勢力で過半数を確保し、都政運営の基盤を築けるかが最大の焦点だ。(時事ドットコムニュース)

 小池百合子都知事率いる地域政党「都民ファーストの会」と、同会と選挙協力を結んだ公明党などの「知事支持勢力」が過半数を獲得するかが注目される。(YOMIURI ONLINE)

 焦点は、小池氏が率いる「都民ファーストの会」に公明党などを合わせた小池知事を支持する勢力で過半数を獲得するかです。(TBSニュース)

 自民党が第1党を守れるのか、小池知事が都民ファーストの会や公明党など支持勢力で過半数を獲得できるかが焦点。(日テレNEWS24)

 東京大改革を進める小池都知事にとって、その改革の「支持勢力」である都民ファーストと公明党が過半数を占められるのか。
 それとも改革の「抵抗勢力」である自民党や、知事の決断した豊洲移転を今なお真っ向から否定する共産党など、アンチ都知事勢力が優位に立つのか。
 つまり、都民がどちらを勝たせるのかという都議選になる。

都知事が公明党と組む理由

 都民ファーストは50人の候補者を擁立しており、圧倒的な小池人気を背景に、各種の情勢分析でも非常に優勢。手堅く見積もっても40議席程度は確実と見られている。
 ただし、都議会の定数127の過半数には64議席が必要で、小池知事が改革を進めるための「支持勢力」で過半数を占めるには、都民ファーストが善戦しても大幅に足りない。
 知事のもう一つの〝与党〟となる都議会公明党が、23候補者全員の当選を勝ち取ることが必須となる。
 いかんせん、都民ファーストは政治経験のない新人や、風向きを見て他党から鞍替えした候補がほとんど。
 選挙後にどんな顔ぶれの政党になるのかは都知事自身にも見通せないし、圧勝したところで国との連携もできない。

 公明党には、現場第一の「抜群の行動力」と「生活者目線の政策を立案し、実現する力」があります。だから、私は公明党に「都政の頭脳」として活躍していただくことを期待しています。(公明党候補者への小池知事メッセージ)

 小池都知事は、今回の選挙結果で構成される都議会で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えることとなる。
 知事にとって、国政の政権与党であり、全国に3000人の議員ネットワークを持つ公明党との連携は、絶対に不可欠なのだ。
 改革を進められる都議会になるか、知事に抵抗する都議会になるか、まもなく結果が出る。

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