政規法、迷走を続けた「維新」――党内からも不満が噴出

ライター
松田 明

評価が分かれる改正政治資金規正法

 2024年も折り返し地点を過ぎた。
 今年前半の最大の政治的イシューは、やはり「政治資金規正法」の改正だろう。そもそもは、自民党の一部派閥において政治資金パーティーのキックバック分に関する政治資金収支報告書への不記載が発覚したことが発端だった。
 2023年12月には、東京地検特捜部が約1年の内偵を経て強制捜査に乗り出し、年明けには政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で国会議員3人、会計責任者ら7人の計10人を起訴・略式起訴した。
 同時に、政党から役職者議員らに対して〝領収書なし〟で資金が提供される「政策活動費」の是非も取り沙汰された。こうした不透明な資金の動きは自民党だけでなく、立憲民主党や日本維新の会、国民民主党、社民党やれいわ新撰組などでも確認された。「政策活動費」に類する支出を党内で容認していなかったのは、公明党と日本共産党だけである。
 年末年始と、これら〝政治とカネ〟をめぐる出来事が連日報道されると、国民の政治不信はかつてなく高まった。
 通常国会が開幕し、まずは与党内、ついで与野党間で、激しい論戦が交わされた。最終的に自民党案、立憲民主党・国民民主党案、日本維新の会案の3案が審議入り。国会閉幕ギリギリの6月19日、改正政治資金規正法が成立した。
 ただ、報道機関などの世論調査では、7割から8割が再発防止に「効果がない」と悲観的な回答をしている。一方、専門家や識者のなかには、改正政治資金規正法の成立を高く評価する声もある。
 なぜ、このようなギャップが生じているのか。国会論戦での各党の動きや、メディアの報道内容を振り返り、検証しておきたい。

法改正のベースは公明党のビジョン

 事実経過として、この問題に真っ先に具体的な反応をしたのは公明党だった。公明党は2024年を「令和の政治改革元年」と銘打ち、まだ東京地検が立件に踏み切る前の1月18日に、他党に先がけて「政治改革ビジョン」を発表した。
 政治資金パーティー券購入者の氏名公開基準を現行の20万円から5万円に引き下げること。入金方法を口座振り込みに限定すること。政策活動費の使途公開の義務化。国会議員関係政治団体の収支報告書のデジタル化。政治資金を監督する第三者機関の設置。連座制の強化。
 さらに、調査研究広報滞在費の使途の明確化、使途の公開、未使用分を国庫へ返納。選挙違反により当選無効となった際に国庫へ歳費を返納。分党・解党する際の政党交付金残高の返納、などである。
 振り返ってみれば、今回の改正政治資金規正法は、この公明党の「政治改革ビジョン」がほぼそのまま具現化している。
 公明党がいち早くこれらの具体策を発表し、結果的に公明党案に沿うかたちで法改正が実現したのには、大きく2つの理由があるように思う。
 第1は、公明党は党の成り立ちからして〝政治とカネ〟にどこよりも潔癖だからだ。
 公明党の結党(1964年)当時、日本の政治は金権腐敗の極みにあった。公明党は綱領に「腐敗政治と断固戦う」ことを掲げて結党された。
 65年には東京都議会議長選挙をめぐる収賄事件を受け、都議会公明党がリコール解散を主張。これによって都議会は解散し7月に選挙となった。都議会選挙が今も6月から7月に実施されるのは、この都議会公明党によるリコール解散が淵源なのだ。
 66年には共和製糖グループの政治団体から自民党だけでなく社会党、民社党にまで巨額の資金が渡っていたことが、公明党の国会追及で明らかとなる。佐藤内閣は12月に衆議院を解散。これは「黒い霧解散」と呼ばれている。
 連立政権入りした直後の2000年には、公明党の主張によって政治家個人への企業・団体献金が禁止された。さらに政治家や秘書らが口利き行為で見返りを得ることを禁止する「あっせん利得処罰法」が制定された。02年には、処罰対象に私設秘書も加えるよう法改正している。
 民主党政権時代(2009~2012年)、民主党の鳩山由紀夫首相や小沢一郎幹事長をめぐって〝政治とカネ〟の問題が明るみとなり、秘書が起訴されたにもかかわらず政治家は「秘書がやったこと」で逃げ切った。
 公明党は議員の責任を問えるようにする政治資金規正法改正案を国会に提出し続けたが、当時の民主党政権は法改正に着手しようとはしなかった。

実現性のない立憲民主党の主張

 第2の理由は、自民党の失態による政治不信が高まったままでは、政策の遂行が困難になるという政権与党としての公明党の責任感だっただろう。
 要は、どうすれば再発防止につながるかである。公明党が1月に公表した「政治改革ビジョン」は、具体的には「政治家の監督責任の強化」と「透明性の向上」を図るものとなっていた。
 残念ながら、当の自民党には驚くほど危機意識が欠如しており、一方の野党は一気に政局化して、むしろ国民の政治不信に油を注ぐことだけに執心するありさまだった。
 読売新聞は社説で、立憲民主党が企業・団体献金やすべての政治資金パーティーの禁止を求めていることについて、

 自民の事件が発覚するまで、立民の議員もパーティーを当たり前のように開いていた。政治家が浄財を集める手段を禁じるというなら、どうやって必要な政治資金を確保するつもりなのか。
 実現性を度外視し、自民の消極姿勢をあぶり出すことだけを狙ったかのような主張は、かえって問題を混乱させてしまう。政治改革を政局の駆け引きの道具に使うことは許されない。(『読売新聞』4月18日社説

と厳しく批判した。
 また、5月の衆院政治改革特別委員会に参考人として出席した学識者からも、「くれぐれも政局は絡めないでほしい。国民が問うているのは、日本の民主主義の信頼性だ」(谷口将紀・東京大学教授)、「与野党がそれぞれの思惑で主張して成案を得られなければ、国民の政治不信はますます高まっていくのではないか」(川上和久・麗澤大学教授)と、警鐘が鳴らされている。
 これまで政治資金パーティーで巨額の資金を集めていた立憲民主党が、自民党が受け入れないことを見越したうえで「政治資金パーティーの全面禁止」を強硬に主張したことは、政局化の最たるものだった。しかもその論戦をしている国会会期中に、立憲民主党の幹事長や選対委員長といった幹部が、政治資金パーティーの開催を予定していたのである。
 法の施行までは許されるというのが彼らの理屈だったが、タバコを吸いながら喫煙全面禁止の法制度を訴えているようなもので、およそ国民の理解を得られるものではなかった。

公明案を「丸のみ」した岸田首相

 ところで、この改正政治資金規正法の議論を通じて、ある意味で最も迷走し醜態を見せたのが日本維新の会だった。
 国会では、腰の重い自民党に対し、連立を組む公明党が協議を続けていた。自民党が最後まで拒み続けたのは、政治資金パーティー券購入者の公開基準と政策活動費の使途明細公開だった。
 政治信条を公表することに抵抗がない米国などと違い、日本ではどの政党や政治家を支援しているのかを知られたくない風潮がまだ根強い。
 これまでのように公開基準が20万円であれば、2万円の券を10口買ってくれた相手が、5万円以上で公開されるとなると2口(4万円)しか買ってくれなくなるのではないかという懸念が生じる。自民党内では地盤の弱い若手を中心に麻生副総裁や茂木幹事長などからも反対意見が強かった。
 5月17日、自民党は単独で改正案を衆議院に提出。5月29日に自民党の修正案が示されたタイミングで、奇妙なことに一部の新聞やテレビ局が「公明党が自民案に賛成」と報道する。公明党内では賛成論などあるはずもない。誰がどんな意図で流したのか、いずれの報道も誰が情報源なのかを明らかにせず、「与党幹部」「ベテラン議員」などといったあいまいな表現に終始していた。
 5月30日、メディアも入っていた党中央幹事会の冒頭、公明党の山口代表は「このままでは賛同できない」と発言した。妥協はあり得ないという公明党のメッセージを理解したのか、その日のうちに岸田首相から山口代表に電話が入る。
 翌31日の自公党首会談で首相は「5万円超までの引き下げ」「政策活動費の使途公開と第三者機関の設置」など、自民党案を再修正すると述べた。
 翌日の朝日新聞は、

首相、公明案丸のみ 法案が通らないと政権が終わる(『朝日新聞』6月1日

と報じている。
 一方で、政策活動費についてはそもそも公明党では採用しておらず、他の主要野党も廃止を宣言。最終的に政策活動費の存続を主張したのは自民党と日本維新の会だけになった。

「10年後に公開」とした維新の愚挙

 ところが、日本維新の会は政策活動費の使途明細公開について「10年後」と主張した。国会で公明党議員から「なぜ10年後まで公開できないのか」と理由を問いただされても、行きつけの飲食店などに迷惑がかかるからという意味不明の弁明に終始した。
 その日本維新の会の馬場代表は、同じ5月31日に岸田首相と会談。馬場代表はこの「10年後に公開」という維新案で自民党と合意。維新も自民党に〝丸のみ〟をさせたと誇らしげに語った。
 しかし、離合集散を繰り返す政党も少なくないなかで10年後まで公開しないというのでは、実質的には使途明細の非公開に等しい。日本維新の会は、自分たちも飲み食いに使える政策活動費を維持させたい思惑で、こんな杜撰な案を自民党案に採用させたのだ。
 6月6日には自民党が公明党と日本維新の会それぞれの主張を踏まえて新たに修正した法案が可決。参議院に送られた。
 維新の愚挙に、他の野党が猛反発したのは言うまでもない。公明党にとってもきわめて腹立たしい思いだっただろう。あれほど苦労して自民党を説得し、1つ1つ修正させてきたのに、最後の最後に日本維新の会が「10年後の公開」で割り込んで、政策活動費の使途公開を阻んでしまったのだ。
 しかも、衆議院で可決された6日、馬場代表はそれまでの「10年後に全面公開」を翻し、「プライバシーにかかわる部分はマスキングが必要」などと言い始める。
 さらに迷走したのは参議院での審議だった。日本維新の会は、国会議員に支給される「調査研究広報滞在費」の使いみちの公開などについて自民党が後ろ向きだと非難し始めた。「調査研究広報滞在費」については、馬場代表が岸田首相との党首会談で持ち出した話だが、そもそも政治資金規正法改正の本筋とは関係ない。
 また党首会談で合意したといっても、立法措置をいつまでにするという具体的なことは合意文書にも記されておらず、その点では自民党側に瑕疵はない。言ってみれば馬場代表の詰めの甘さである。
 だが、自民党から「今国会中での見直しは困難」と示されると、馬場代表は子どものように「嘘つき内閣」と反発。「改革の実績」を勝ち取れると安易に考えていた目論見が外れた日本維新の会は、一転して、衆議院では賛成した自民党案に参議院では反対すると決定。おまけに、岸田首相に対する問責決議案を出すと決めた。

 日本維新の会の遠藤敬国対委員長は18日、維新が参院に提出する見通しの岸田文雄首相に対する問責決議案の審議に他の野党が協力しなかった場合、「抵抗するのであれば、抵抗するだけの対応をさせてもらう。恥かくようにさせていただきます」とけん制した。国会内で記者団に語った。(『毎日新聞』6月18日

 まるでヤクザの脅し文句である。だが、この問責決議案には与党はもちろん、他の野党も一切同調せず不発に終わった。

党内から不満が噴出した維新の会合

 このお粗末な顛末には、日本維新の会の内部からも批判が噴出した。日本維新の会の共同代表で大阪維新の会の代表でもある吉村大阪府知事は、一連の国会対応における自民党との合意について「総括」が必要だと発言。
 6月26日、衆議院議員会館と地方議員ら500人をつないだオンラインの説明会が開かれた。冒頭、馬場代表は執行部への批判を封じ込めたいのか、「後ろからバンバンバンバン仲間を撃つことをすれば、すぐにこの日本維新の会という政党はつぶれていく」と発言した。
 だが、非公開の会合というものの、YoutubeのURLは議員以外の党の関係者にも広く拡散されているので、実際はダダ漏れに近い。
 会合では、まずこの馬場代表の発言に対して地方議員から批判が出た。さらに政策活動費の使途明細を「10年後に公開」としたことについて、地方議員らから激しい突き上げがあった。地方議員らは、地元で支持者から厳しい声を受けているというのだ。当然の話だろう。
 維新の内部では以前から、国会議員団執行部の横柄で稚拙な党運営に対し、近畿の地方議員らからの反発が強まっている。創業者である橋下徹氏も最近は、自身のSNSで頻繁に日本維新の会の執行部を痛烈に批判することが増えた。
 この日の会合でも、同じ共同代表である吉村知事と馬場代表とのあいだで激しい応酬があったという。

「まるで子供の喧嘩のようだった。吉村さんもしつこく蒸し返すようなことを言うし、馬場さんの対応も大人気ない。その後に意見をした地方議員の一人が『橋下徹さんを見て憧れて政治家になったが、今は憧れる人がいない』と言ってましたが、同感です」(「現代ビジネス」7月3日

 なにより驚かされたのは、このオンライン説明会のあと日本維新の会の藤田幹事長が会見で、「政策活動費を廃止する」と表明したことである。
 先の国会で、政策活動費の存続はもちろん、その使途明細の公開を「10年後」と主張し続けたのは日本維新の会なのだ。公明党がギリギリの神経戦で自民党を詰めてきたのに対し、あっさり「10年後に公開」で自民党と合意してしまったのも日本維新の会である。
 世論調査で8割近い国民が改正政治資金規正法に期待できないと答えた最大の要因も、維新が政策活動費の使途明細公開を「10年後」にしてしまったことにある。
 それで改正政治資金規正法が成立してしまってから、内輪の批判に耐えられなくなって、今度は突然「政策活動費は廃止」と言い出す。さんざん迷走した挙句に、政治改革に蓋をする〝置き土産〟だけを残して遁走したのであった。

「10年後」を空文化させた公明党

 一方で、対照的に冷静な手を打ったのは公明党だった。公明党は「政策活動費の透明化」を当初から重視し、具体策として第三者機関の設置を1月時点で掲げていた。
 維新によって政策活動費の使途明細公開が「10年後」にされてしまったものの、やりようによっては第三者機関が毎年チェックすることはできる。
 6月18日の参院政治改革特別委員会で、公明党参議院幹事長の谷合正明議員は、この第三者機関の設置時期について岸田首相に問うた。首相は「(政治資金規正法改正案の施行日である)2026年1月1日を念頭に早期に設置できるよう議論していく」と答えたが谷合氏は引き下がらず、「念頭に」の意味を確認。首相は「『念頭に』は『目指す』と同義だ」と答弁し、国会の場で初めて第三者機関の設置が2026年1月1日になると首相の口から語られたのだった。
 公明党は、こういう高度な〝詰め〟をきちんとやる。この首相の答弁が出たことで、改正政治資金規正法の施行日に合わせて第三者機関が設置されることになった。そこでは機微に触れるような政策活動費の使用に関しても、毎年チェックがなされる。
 これによって、維新が入れ込んだ「10年後に公開」は事実上、意味がなくなり空文化したことになる。

都知事選で寄付集めをする日本共産党

 マスコミの一部には、今回の改正政治資金規正法について、「企業・団体献金の全面禁止」「政治資金パーティーの全面禁止」が含まれていないという理由で「ザル法」「抜け道だらけ」といったような、野党の主張に沿った批判が目立つ。
 だが、与野党を問わず政治活動に多額のコストがかかるのは事実なのだ。手弁当で熱心に動いてくれるような支持者がいるのは公明党と日本共産党くらいだろう。それでも日本共産党などは財政が立ち行かなくなり、東京都知事選挙の蓮舫候補の支援にかこつけて共産党東京都委員会や、あげくには神奈川県委員会への寄付を求めるビラを新聞折込などで配布している。無所属のはずの都知事候補のために他県の共産党組織に寄付をしろというのである。
 野党が主張したような「企業・団体献金の全面禁止」「政治資金パーティーの全面禁止」を採用すれば、桁外れの個人資産を持つ人間以外は政治の世界に参加できなくなってしまう。
この点は立憲民主党の小沢一郎議員も、

「規制強化ばかりでは自縄自縛になり、どうしようもなくなる。政治資金パーティーもダメ、企業・団体献金もダメと何でもダメにすると、お金については潜りに潜って裏の話になってしまう」(「NHK NEWSWEB」5月21日

と述べているとおりだ。
 むしろ、憲法が定める自由権の観点からも、寄付など個人や企業団体の多様な政治参加の方法はあってよいわけで、大事なことは「透明性の担保」と「責任の明確化」なのだ。
 公明党が政治資金パーティー券購入者の公開基準を「1円」ではなく「5万円超」としたのは、政治資金規正法で寄付に関して5万円を超えると収支報告書への記載義務が発生することとの整合性をとったものだ。
 飯尾潤・政策研究大学院大学教授は、

政治資金規正法の歴史の中でも、今国会での法改正は、かなり大きな進展だったと評価しています。
特に重要なポイントは、政策活動費の透明化に向けて、第三者機関を設置する方向性が示されたことです。従来は、何か政治資金を巡る問題があっても、監督機関がないために検察の捜査・刑事処分に委ねるしか〝浄化作用〟は期待できませんでした。(『公明新聞』6月30日

 リテラジャパン代表取締役の西澤真理子氏は、

今回の法改正で、議員も連帯して責任を負う、いわゆる「連座制」の強化が図られたことで、今後、「秘書がやった」は許されなくなりました。政治の信頼を取り戻すためのスタートラインに、ようやく立つ環境が整えられたといえます。今後、議員は、より詳しい説明責任が問われます。公明党は、とても評価できる主張を法律に盛り込ませたと思います。(同)

と評価する。
 国会の参考人にもなった川上和久・麗澤大学教授は、

公明党案を岸田首相はほぼ丸のみし、当初の自民党案よりもはるかに厳しい政治資金規正法改正の流れができました。連立政権のなかに公明党がいることで、腐敗する金権政治に厳しいメスが入ったのです。(『第三文明』2024年8月号)

と述べている。

首相らを前に具体化を求めた山口代表

 むろん、第三者機関をどこに設置し、どこが費用を負担して、どのような人員と権限でチェックすることが望ましいのかなど、検討課題は多く残っている。
 この点でも公明党は、改正政治資金規正法が成立した翌日の6月20日に、具体策を着実に実施していくための党プロジェクトチームの設置を発表した。北側副代表は、法施行に向け「来年の通常国会で政党間で合意形成し、秋の臨時国会で(実施に必要な)法改正をしないといけない。まずは年内に党としての考え方を取りまとめたい」と述べた。
 7月3日に首相官邸で開かれた政府与党連絡会議では山口代表が、岸田首相や自民党の茂木幹事長らを前に、あらためて検討項目の具体化を急ぐよう求めた。

公明党の山口代表は、改正政治資金規正法をめぐり「第三者機関の設置などの検討課題について議論を着実に進めるべきだ。再来年1月1日の法律の施行と同時にスタートできるよう準備に取り組んでほしい」と求めました。(「NHK NEWSWEB」7月3日

 この問題に対する公明党の本気度が見える。
海千山千で、ともすればのらりくらりの自民党に対し、最初から受け入れられない極端な案を出していたずらに政局化を図った立憲民主党や日本共産党。浅慮ですり寄って迷走を深めた日本維新の会。忍耐強く合意形成を重ね、数カ月前には想像もできなかった改正政治資金規正法を成立に導いた公明党。
 政治は「結果」である。そして民主主義だからこそ、政治は異なる意見や利害の調整と合意形成であり、現実には〝ベスト〟ではなく〝よりマシ〟を選ぶ高度な妥協の技術なのだ。ゼロか100かで騒いだり嘆いたりするのではなく、1つ1つ改善を重ねていく能力こそが問われているのである。

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まつだ・あきら●ライター。都内の編集プロダクションに勤務。2015年から、「WEB第三文明」で政治関係のコラムを不定期に執筆。著書に、『日本の政治、次への課題』(第三文明社)がある。