「厚生労働委員会」で質問に立つ高木美智代衆議院議員(2021年8月25日)
コロナ対策を一貫して牽引
9月30日をもって緊急事態宣言が解除となった。陽性者数、入院患者数も順調に減少傾向が続いており、街には久しぶりの賑わいが戻ってきた。(※参考サイト:COVID-19 Japan)
昨年1月に日本で最初の新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、公明党は一貫してコロナ対策を牽引してきたといえる。
昨年2月14日には政府に「専門家会議」の設置を要望。自宅やホテルで療養する患者の重症化の兆候を見逃さないため、血中酸素濃度を計測するパルスオキシメーターの導入を求めたのも公明党だ。
パルスオキシメーターは、検知器を指先や耳たぶなどにつけ、酸素が血中に溶け込んでいる濃度を皮膚の上から測る装置。公明党が政府に積極的な活用を求めていた。(『産経新聞』2020年4月8日)
決定的な役割を果たしたのは、昨年7月の参議院予算委員会。海外製薬メーカーのワクチン争奪戦が進むなか、日本は交渉に出遅れていた。医師でもある公明党参議院議員が、ワクチン確保のために予備費の活用を政府に促し、答弁に立った当時の稲津久・厚労副大臣(公明党)が「予備費の活用」を明言した。これで交渉が一気に加速する。
ワクチン接種費用の無償化、万一の健康被害に対する十分な補償制度も公明党が強く推進。12月には改正予防接種法が成立した。
一方で、接種費用を計上した20年度2次・3次補正予算の両方に「反対」したのが日本共産党だった。
あれから1年あまり。日本が十分な数のワクチンを確保し、この10月中には2回目接種を完了した人が国民の7割を超える見通しとなっている。公明党の存在が日本の危機を大きく救ったといって過言ではない。
抗体カクテル療法を進めた公明
公明党の「次期衆院選重点政策」第3弾は、感染症対策。
この夏に猛威を振るった変異株による感染拡大は現状で収束しているものの、冬を迎え〝第6波〟の到来が懸念されている。
これに備えるため、公明党は3回目のワクチン接種についても、国民が無料で受けられるようすでに菅首相(当時)に提案。これは2回目接種を終えておおむね8カ月以上経過した人を対象とするものだ。財源を確保し、この12月から接種を開始できるよう各自治体とも連携していく。
9月28日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部は、都道府県、保健所、設置市および特別区の衛生主管部(局)宛てに、「抗体カクテル療法」を無床診療所でも可能とする事務連絡を発出した。
この「抗体カクテル療法」とは、中和抗体薬「ロナプリーブ」(カシリビマブとイムデビマブを混合)を点滴投与するもの。新型コロナウイルス感染症の軽症・中等症患者の重症化を防ぐ高い効果がある。
ただ、24時間以内にアナフィラキシーなど副反応が出た場合のために、従来は入院患者と宿泊療養者に使用が限定されていた。
公明党は積極的に重症者を抑えるため、医師・看護師が対応できるなどの条件下で、外来患者にも「抗体カクテル療法」が使えるよう政府に要求。厚労省は「入院施設のある病院と有床診療所」に限定してこれを認めた。
人工透析を受けている患者は重症化リスクが高い。一般社団法人日本腎代替療法医療専門職推進協会など関係者からは、高頻度で通院している透析医療機関で「抗体カクテル」の投与ができるよう公明党に要望が寄せられていた。
今回の「無床診療所でも投与可能」とした厚労省の事務連絡は、こうした透析患者らの負担と重症化リスクを低減するものだ。
国産「経口薬」の実用化へ
公明党の重点政策第3弾では、「抗体カクテル療法」の普及や治療薬レムデシビルに加え、経口薬の国産実用化もめざしている。
米国ではメルク社やファイザー社が経口薬の開発で先行しており、先ごろ重症化リスクを半減させる効果があったと発表された。
日本国内でも塩野義製薬が、服用回数や安全面などでより負担の少ない抗ウイルス経口薬を開発中。年内にも大規模治験に入る予定だ。
安全な経口薬が実用化されれば、ワクチン接種のできない人や忌避する人、すでに接種したワクチンの免疫機能が落ちはじめた人にも朗報になる。また、安定した環境でワクチン接種を運用できない途上国など、広範な人々が利益を享受できるだろう。
新型コロナウイルスの地球規模での終息までは数年がかかると予想されているほか、こうした未知の感染症のパンデミックは今後も頻繁に発生することになる。
今回のコロナ禍では、米国や英国など安全保障上の問題として防疫研究を重視してきた国に比べ、日本などは体制の脆弱さが露呈した。
公明党は、より質の高い国産経口薬の開発を支援することで、国内自給体制をめざしている。
さらに、ふたたび感染が急拡大した場合に備え、「抗体カクテル療法」のさらなる拡充と共に、病床と医療従事者の確保、臨時医療施設、入院待機施設の整備をおこなう。
非常時の医療協力体制のための法整備、自宅療養者への往診・訪問看護の体制拡充、後遺症の予防策や治療方法の開発、地域相談体制の整備もおこなう。
また、現在は1日33万件が限度となっているPCR検査能力を、1日100万件まで可能になるよう拡充。機器の増産など検査体制を抜本的に強化するとしている。
これまでのコロナ対策でも、公明党は現場の声を常に拾いあげつつ、連立与党として政府と緊密に連携して具現化してきた。
わずか5カ月前までワクチン大規模接種を批判していた立憲民主党や、ワクチン確保と接種の予算にさえ反対していた日本共産党が、選挙前になって耳あたりのいい主張をしても説得力がない。
この衆議院選挙では、政党の実績と政策実現力が大きく問われることになる。
衆院選 重点政策「日本再生へ 新たな挑戦。」マニフェスト2021(PDFファイル 11.5MB)
公明党衆院選重点政策:
「公明党衆院選重点政策」第1弾――子育て・教育を国家戦略に
「公明党衆院選重点政策」第2弾――日本経済の再生
「公明党衆院選重点政策」第3弾――感染症に強い日本へ
「公明党衆院選重点政策」第4弾――共生社会をめざして
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