「ルックス」と得票率の研究
今回は、選挙における候補者の「見え方」の話である。
ルッキズムという言葉をご存じの方も多いだろう。「外見至上主義」とも言われ、容貌や外見で人を評価したり差別したりすることだ。SNSの普及とともに、人々は自分や他人の外見を消費することに熱心になり、同時にそのことで息苦しさを感じている人も多い。
外見や年齢で人を公然と揶揄するようなことは、日本でも社会通念として許されなくなりつつある。
そもそも何に「美醜」「好悪」を感じるかは、時代や文化、個々人によって違いがある。そのうえで、私たちは視覚情報として入ってくる他者の〝イメージ〟によって、親しみや信頼感を覚えることもあれば、なんとなく好感を抱けなかったりもするのも事実である。
「見た目」のイメージで自分の感情が影響されることは、程度の差はあれ往々にして避けがたい。
そして、じつは芸能界に匹敵するほど外見にこだわる世界が、政治の世界ではないだろうか。さまざまな職業があるなかで、一部の政治家の外見への執着は、ちょっと他とは比べものにならないのではないかと、かねて思っていた。
多くの政治家が、選挙にとって「外見」の印象が少なからぬ影響を持っていると考えている証左でもある。 続きを読む