第4回 各教科と哲学のつながり――①科学(理科)と哲学(下)
(対談者)
福谷 茂(京都大学名誉教授、創価大学名誉教授)
伊藤貴雄(創価大学文学部教授)
中学生時代の自分にお勧めしたい哲学書(続き)
~伊藤「デカルトの『方法序説』」
編集部 伊藤先生は、中学時代の自分にお勧めするとしたらどんな哲学書でしょうか。
伊藤 やはり、デカルト(※)の『方法序説』(山田弘明訳、ちくま学芸文庫)ですね。
最近はとても読みやすい翻訳も出ています。しかも、内容は自伝的です。映画にもできそうなくらいです。
さきほど福谷先生が三浦梅園を紹介した流れで、日本の思想家と対応する近世ヨーロッパの人物を考えていたのですが、文系と理系の両面を合わせ持つ「文理融合モデル」の人物として、デカルトが浮かんだのです。
『方法序説』は大きく6つから成り立っています。
第1部で、「学校での勉強は役に立たなかった。だから私は〈世界という書物〉を読むために旅に出た」と述べています。学校教育への反逆から始まるのが面白いですよね。 続きを読む





